営業の合間、カード目当てでかまぼこを買いに来たコロプラ利用者=松島町の松島蒲鉾(かまぼこ)本舗総本店
携帯電話を片手にお土産物を買う若者が、東北各地で増えている。全地球測位システム(GPS)を使い、移動距離に応じて得る仮想通貨で遊ぶゲーム「位置ゲー」の利用者だ。現実の店を訪れる目的は、ゲームと提携する店舗で買い物することで得られる、通常では手に入らない「レアアイテム」。東北でも増えつつある提携店は、遠方からの来客の豪快な買いっぷりに驚いている。
「あのぉ、コロプラのカードがもらえる店だと聞いたのですが……」
松島蒲鉾(かまぼこ)本舗総本店(松島町)で、仙台市から営業がてら立ち寄った40代の男性会社員が尋ねた。「かまぼこすべてが対象です」「じゃあ、3千円分で」。男性は、笹(ささ)かまぼことともにカードを受け取り、「どっちかというと、目当てはカードですね」ともらした。
「コロプラ」とは、同名のベンチャー企業(東京都)が運営する携帯ゲーム。利用者は、仮想通貨「プラ」でアイテムを買い、自分のコロニー(居住地)の人口が増えるのを楽しむ。さらに移動先でしか買えない仮想「お土産」を集めたり別の参加者と交換したり、近隣に滞在する参加者と交信もできる。これらが受け、08年10月の会社設立後、利用者は伸び続け、今では約60万人に達する。
ゲームに6月から新たに加わったのが、カードを使った実店舗との連携システムだ。利用者は、提携店で購入金額に応じたカードを受け取り、記載された番号を登録すると通常は入手できないレアアイテムの「お土産」が買える。これがゲーム内で仮想通貨を使って高値で売買されることから、利用者はわざわざ買い物に出かける。
一方、提携店は、買い物をした利用者に渡したカードの金額の20%を、集客力への謝礼としてベンチャー企業に支払う。初期費用や固定費用はかからない。