厚生労働省は20日、65歳以上の高齢者に対する虐待の実態調査結果を発表した。08年度に家庭内や介護施設などで確認されたのは全国で1万4959件で、前年度より1624件(12%)増加した。このうち殺害されるなど24人が死亡した。家庭内虐待のうち、被害者が認知症と見られる人の割合は45%を占めた。
調査は高齢者虐待防止法に基づくもので、今回で3回目。通報などを受けた自治体が事実確認した事例を集計したもので、総件数は初回の06年度より19%増えた。
08年度の内訳を見ると、特別養護老人ホームなど介護施設の職員らによる虐待が70件、家庭内での虐待が1万4889件だった。家庭内虐待では身体的虐待が最も多く64%に上る。ほかに暴言など心理的虐待が38%、介護放棄が27%だった。
虐待者が同居人の事例は86%と大半を占め、死亡した24件はいずれも家庭内だった。同省認知症・虐待防止対策推進室は「(家族の)介護疲れが大きなポイントになっている」と分析している。