暖房器具が原因と見られる火災が昨冬だけでも全国で少なくとも180件発生し、犠牲者が16人に上っていることが、経済産業省の公表した製品事故情報からわかった。使用上のミスや製品の欠陥など原因はまちまちだが、高齢者の被害が多いのが特徴だ。
経産省が公表した製品事故情報を朝日新聞が集計したところ、暖房器具が火元とみられる火災は、昨年11月〜今年3月に少なくとも180件起き、死者16人、重軽傷者は56人に上った。
事故が目立ったのは、石油ストーブ、電気ストーブ、石油温風器、エアコン、電気温風器、電気こたつの6製品。最も多かったのは54件の石油ストーブで、「給油タンクの口金キャップが変形していて灯油がこぼれて引火した」「口金キャップの締め方が緩く、こぼれた灯油に引火した」といった給油時の事故が目立った。
誤ってガソリンを給油した事故や、「燃焼した状態で持って3メートル移動したところ、炎が上がってカーテンが燃えた」など、注意すれば防げる事故も含まれている。
46件の電気ストーブは製品側の問題が多い。経産省所管の製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))によると、ハロゲンヒーターは22社が製品事故の発生によりリコール中で、そのうち大宇電子ジャパンが03年から回収中の「SD―80G」は、この期間だけで4件の火災が起きた。この機種に限らず、焦げ臭かったり強弱スイッチを切り替えても反応がなかったりしたら危険だという。
そのほか、暖房器具に洗濯物や布団、バスローブなどが触れて火が出たり、近くにあったスプレー缶が暖房器具の熱で爆発したりした事故もあった。また、火災ではないが、男児が石油温風機の空気取り入れ口に触れて重いやけどを負ったケースも。小さな子どものいる家庭はこうした注意も必要だ。(茂木克信、大久保泰)