自慢のうどんは、はしですくい上げると幅広なのがよくわかる=桐生市相生町2丁目の同店
郷土料理として群馬県でなじみのある、うどんの一種「ひもかわ」。短冊のような形で幅約5センチと平たいめんが特徴だが、桐生市相生町2丁目のめん処(どころ)「ふる川」では、とんでもない幅広めんが人気を集めている。
目の前のザルには、ゆでたてのめんが幾重にも折りたたんで収められていた。
「大きさは日本一……かはわかりませんが、インパクトがあるでしょう?」
2代目店長の古川聡さん(32)は、ほほ笑む。はしでつまみあげると、めんは1枚当たり、幅8〜10センチで長さ20〜30センチ。時々、A4サイズ(縦29.7センチ、横21センチ)のものもあるとか。5枚(約180グラム)で、ざるうどん1人前になる。
だが、厚さは1〜2ミリしかない。ごわつきをなくし、モチモチとした食感を出すためだという。見た目の印象とは裏腹に、食感はワンタンの皮のようにプルプルと軽やかだった。
めんは、すべて手打ち。毎日、桐生市の作業場で、古川さんの父で初代店長の育夫さん(58)が仕込む。「手打ちだからこそ、この厚さが均一に出せる。機械では1センチ弱までしか薄くできない」
薄いがゆえに、ゆでるのも一手間だ。
通常、うどんは生めんを一気に鍋釜でゆでるが、こちらは1枚ずつ入れないと、途中で破れてしまうという。釜あげ後も、畳み直すから「とにかく手間がかかる」と、古川さん。
もともとは同店でも、一般的な「ひもかわ」を作っていた。
他店との違いを求めるうちに、めんの幅が拡張。育夫さんも「どうせならば思い切って」と、約2年前から今のサイズになった。古川さんも当初は「これは大きすぎる」と戸惑ったという。
現在、週末になると、県外からも客が集まる看板メニューに。一日で150〜200食ほど売れる。
「見た目の印象が強いだけでは困りものですが、仕込みもこだわっているし、味にも自信はある」
ところで今後、めんはさらに大きくなるのか?
「今で限界。これ以上大きくなったら、重過ぎて、はしで持ち上げられません」(大井穣)