【西川迅】原発で重大事故が起きた時に放射性物質がどのように拡散するかを示した予測図に誤りが相次いでいる問題で、東北電力は22日、女川(宮城県)と東通(青森県)の予測に使われた気象データに誤りがあったと発表した。予測図に影響が出る恐れがあるという。原子力規制委員会は、全原発で確認作業をして正しい予測図を今月中にも公表する。
東北電力によると、誤りがあったのは放射性物質の大気中への薄まりやすさを示す「大気安定度」のデータ。観測された風速と日射量で大気安定度を10段階に分け、シミュレーションをした原子力安全基盤機構(JNES)に提出した。
両原発おのおのの1年分8760点の気象データの大気安定度のうち、女川で108点、東通で69点、計177点の分類が誤っていた。東北電力の関連会社が大気安定度を分類するコンピュータープログラムを作った際に、入力ミスで設定を誤ったという。
予測図のミスが相次いで発覚したのを受け、東北電力で点検したところ誤りが見つかり、22日に規制委とJNESに報告した。同社は22日に記者会見し、「ご心配をおかけして申し訳ありません」と謝罪した。
規制委は誤りは一部だったことなどから、予測図の修正への影響は少ないとみている。金子修一・原子力防災課長は「正確なところは、計算し直してみないと分からない。現在、全原発の正しい拡散予測図を出せるように検証作業を進めている」と話している。
拡散予測図は10月24日の公表後に誤りが相次いで見つかっている。規制委はまず、公表当日夜に自治体名を訂正。29日には東京電力柏崎刈羽原発など6カ所で拡散する方角や距離の誤りを発表。11月6、8日には九州電力玄海、川内の両原発でもミスが見つかった。