【大岩ゆり】食道がんの放射線治療は、治療を受ける患者数が多い病院ほど治療成績が良いことが分かった。患者数によって、5年後の生存率に3倍以上の差があった。全国の放射線治療専門医の研究チームが9病院を調べた。日本放射線腫瘍(しゅよう)学会は放射線治療の集約化も検討する。
NPO法人・日本放射線腫瘍学研究機構の消化器グループに所属する近畿大病院や京都大病院、名古屋大病院、東北大病院など9病院で調べた。1999〜03年に食道がんで放射線治療を受けた650人をがんの進行具合に応じて、5年後の生存率と、各病院が治療した患者数を分析した。
この結果、手術が可能な中期のがんでは、患者数が一番多い病院(約30人)の5年後の生存率は40%だったが、一番少ない病院(約10人)は約12%と明らかな差があった。手術ができない進行期では、患者数が一番多い病院(約30人)の生存率は約30%、少ない病院(約10人)は0%だった。早期のがんでは、患者数と治療成績に目立った違いがなかった。
病院ごとの治療成績は公表されていない。
研究をまとめた近畿大の西村恭昌がんセンター長(放射線科)は「患者数が多いほど医師も治療に慣れ、成績もよくなると考えられる。食道がんのように患者数が比較的少ないがんは、少数の病院に集約化して治療した方がいいのではないか」と話す。