偽造キャッシュカードで銀行口座から50万円を不正に引き出したとして、京都府警は26日、システムエンジニア宮口正(ただし)容疑者(58)=横浜市西区=を、窃盗容疑で逮捕し、発表した。同様の被害はこの半年で8金融機関の17口座、約2千万円に上る。府警は宮口容疑者が不正に情報を入手し、カード偽造を重ねた可能性があるとみて調べている。
捜査3課によると、宮口容疑者は9月17日、横浜市内の銀行の現金自動出入機で、京都府内の大学教授の男性(52)の情報を入力した偽造キャッシュカードを使い、現金50万円を引き出した疑いがある。容疑を認めているという。
捜査関係者によると、男性を含む顧客の情報は、地銀15行が加盟するデータ通信事業「NTTデータ」(東京都)の「地銀共同センター」で管理されていた。宮口容疑者は同社に委託され、今春からシステム管理や通信機器の交換を担当。府警は、ここから不正に入手した顧客情報を悪用したとみて調べる。
■NTTデータ・岩本社長が謝罪
NTTデータは27日、委託技術者が同社の「地銀共同センター」から不正入手した顧客情報で現金を引き出した疑いで逮捕された事件を受け、記者会見を開いて再発防止策などを説明した。岩本敏男社長は「被害にあわれた方や多くの金融機関にご迷惑とご心配をおかけした」と謝罪した。
NTTデータによると、委託技術者は、同社が運用し複数の地方銀行が利用する共同センターのシステムに不正に接続し、顧客の口座番号や暗証番号を取得。偽造キャッシュカードをつくり、現金を引き出した疑いで、26日に京都府警に逮捕された。
この技術者は共同センターをつくる段階から開発に携わっており、高度な専門知識を持っていたという。センターのシステム変更にかかわる作業の際、通常とは異なる方法でシステムに接続し顧客データを取り出したとみられる。
再発防止のためにNTTデータは、技術者がシステムに接続する場合、顧客情報が見られないように徹底するとし、情報管理体制を再点検する方針を示した。