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【井上裕一】2005年にJR宝塚線(福知山線)の快速電車が兵庫県尼崎市のカーブで脱線し、107人が死亡した事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された元JR西日本会長の井手正敬(まさたか)被告(77)ら歴代3社長の被告人質問が30日、神戸地裁で始まった。現場カーブでの事故の危険性の認識を問われた井手元会長は「気づく方が無理だったと思う」と答えた。
井手元会長は、東西線の開業に伴って現場が急カーブになった1996年当時の社長で、事故当時は相談役。この日は弁護側から質問が始まった。井手元会長は「(カーブでの事故は)想定していなかった」と改めて危険性の認識を否定。「危険性を把握する義務はなかった」とも語った。
当時の取締役会で現場カーブの図面が示された際に「危険性に気づくべきだったと言われているが」と尋ねられると、「聞く方もおかしいと思う」と強調。「カーブの事故例を聞いたことは」との問いには、「担当者が把握すればいいことで、経営者が把握することではございません」と言い切った。