原爆症認定を求める集団訴訟の敗訴原告を救済する法案が、1日午後の衆院本会議で可決、成立する見込みになった。新たに設立される第三者機関の基金に政府が3億円を補助する内容。基金を敗訴原告に分配し、救済する。今年8月に麻生太郎首相(当時)が被爆者側と交わした確認書の合意事項が、ほぼ実現されることになる。
30日の衆院厚生労働委員会理事懇談会で、1日の委員会採決と本会議への緊急上程を決めた。与党側は自民党委員が欠席しても採決する構え。
救済対象の敗訴原告は現在15人。今も続く裁判で敗訴が見込まれる人もいて、最終的に30人前後になる可能性がある。施行予定は来年4月1日。厚生労働省は来年度予算に向けて3億円を要求する。
第三者機関としては、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の幹部や集団訴訟の弁護団、原告らが加わる新団体が想定されている。
継続中の訴訟は一審判決まで続け、原告が勝訴すれば、政府は控訴せず原爆症と認定する。原告が敗訴したら基金で救済する。(野瀬輝彦)