【動画】中央道トンネル崩落事故、捜索活動の様子=中日本高速八王子支社 |
|
|
2日午前8時ごろ、山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道上り線の笹子(ささご)トンネルで、天井のコンクリート板が長さ約130メートルにわたり崩落した。県警などによると、少なくとも3台の車が下敷きになり、うち1台から複数の遺体を発見、別の車の1人も死亡を確認し、もう1台でも複数が亡くなったとみられる。ほかに2人がけがをした。県警や消防が、取り残された人の捜索を続けた。
管理する中日本高速道路(本社・名古屋市)は天井部の老朽化が崩落原因の可能性もあるとしている。県警は、管理上の問題がなかったか業務上過失致傷容疑などで捜査を始めた。
国土交通省によると、高速道路でトンネルの天井が崩落した死亡事故は過去に例がない。
中日本高速によると、笹子トンネルは上下線で分かれ、上りは2車線で全長4784メートル。崩落が起きたのは甲州市側から約3.2キロ付近で、換気のため天井部に設置されていたコンクリート板(縦約1メートル、横約5メートル、厚さ約10センチ)が崩れ落ちた。1枚の重さは約1トン。板をつり下げている隔壁部分ごと崩落したとみられ、270枚が落ちた可能性がある。
県警高速隊などによると、下敷きになったのは乗用車とワゴン車、保冷車。このうち乗用車とワゴン車から火が出た。ワゴン車で複数の遺体を確認し、保冷車の男性も死亡。乗用車でも複数の死者が出たとみられる。トンネル内ではほかに20台以上が身動きが取れなくなった。
事故後、トンネル内はスプリンクラーが作動し煙が立ちこめた。二次崩落の危険性があるため、支柱で補強しながらの救助作業が続いた。
けがをした2人は、ワゴン車に乗っていた神奈川県三浦市の女性(28)と、別の車に乗っていた甲府市の女性(37)。ワゴン車の女性は「ほかに5人が乗っていて、自分は3列目にいた。5人のことはわからない」と話しているという。
中日本高速によると、天井板は1977年の開通時から取り付けられ、これまで板を固定するボルトや金具を補修した記録はない。定期的に点検し、最近では今年9月に作業員が目で見て確認したが、異常は見つからなかったという。
中日本高速の金子剛一社長は記者会見し、「多くのお客様にご迷惑をおかけしていることをおわびします」と謝罪した。
中央道は現場付近の一部区間が上下線で通行止めになった。復旧の見通しは全く立っていない。
◇
〈笹子トンネル〉 山梨県甲州市と大月市にまたがり、1977年に開通した。片方向2車線で、上下線で分かれ、全長は上りが4784メートル、下りが4717メートル。1日あたりの平均の交通量は上下合わせて約4万6千台。休日は長い渋滞が起きることがある。高低差は約50メートルで、直線部分が多い。トンネル内の制限速度は70キロ。