■青山やすし(やすしは、にんべんに分の刀が月)氏
過去の都知事選を振り返ると、消費者・福祉・反公害の美濃部亮吉氏、これをバラマキと批判して臨海副都心開発やハコモノ行政を推進した鈴木俊一氏、この鈴木氏を批判して世界都市博中止を訴えた青島幸男氏と、常に前任とは違うタイプが選ばれている。これが都民のバランス感覚だ。
石原都政は羽田空港の国際化や首都高速道路中央環状線の整備、都心の再開発などに実績を残した。国と対決することで政策の争点を都民にわかりやすく示した一方で、格差の拡大、失業者や貧困層の増加などに対応しきれなかった。となると、次の都政には雇用の拡大や新規創業への支援、公立学校教育の充実など、待ったなしの課題への取り組みが求められよう。解決には派手なパフォーマンスではなく、地味で地道な仕事が必要だ。
公害企業を批判した美濃部氏や銀行に攻撃的だった石原氏のようなタイプではなく、弱者に対する配慮や包容力が求められる。若者や自営業者が伸びていくことを手助けするような優しいキャラクターが望ましいのではないか。有権者は候補者の過去の経歴やイメージでなく、その人の本質的な人柄が首都の知事として望ましいかどうかを、よく見極めることが重要だ。
=明治大学大学院教授、99〜03年副知事。