競泳最終日、トビウオJAPANが、チームの底力を見せてくれた。国の総合力が試されるメドレーリレー。最も大事な種目で、男女共にメダル獲得。この1週間、27人の選手が、気持ちをリレーしてきた日本チームの象徴とも言えるレースとなった。
中でも注目したいのは、女子のアンカーを務めた上田春佳選手だ。日本女子自由形は、世界との差を感じてきた種目のひとつ。4位と0秒39差の3位で飛び込み、逆転されてもおかしくない中、100メートルで54秒00の日本記録を持つ彼女が、引き継ぎを入れて53秒42で泳ぎ切った。痺(しび)れるような緊張感と重責を背負いながら十分に力を発揮した泳ぎを見て、私は体が震えた。
女子の銅メダルが流れを作り、男子の銀メダルにつながった。上田選手が世界を相手に堂々と勝負する姿を見て、未来の日本女子自由形代表となるであろう選手たちは、胸を高鳴らせたはずだ。日本水泳連盟は、これまで自由形で世界との差を埋めるべく、数年にわたり、自由形強化合宿を行ってきた。その成果が実を結び、女子400メートルフリーリレーでは、44年ぶりの決勝進出を果たしている。