ボルトが100メートルと200メートルの2冠を達成した。200メートルでは、準決勝までの余裕をもった走りをみて世界新を期待する声もあったが、今大会は本調子でなく現実的には厳しかった。ただ、勝ち方を知っている選手だと思った。もっと言えば、観衆の目には独壇場だと印象づける走り方ができる。役者だなと感じた。
100メートルは9秒63の五輪新だったが、ギリギリで力ずくで勝ったようなレースだった。体があまり動いていないことが分かったはずだ。だから、200メートルでは自分の不安を振り払い、相手を威圧するために最初のカーブから飛ばした。
前半で優勝を決定づけ、圧勝にみえたが、反動で残り50メートルではピッチが落ち、動きが固まってしまった。最後はジャマイカのライバル、ブレークに迫られた。記録も北京五輪の19秒30に0秒02届かなかった。