2010年2月20日17時0分
「十勝を制する者は世界の道に通じる」。僕の生まれた帯広地区にはこんな言葉がある。
高木美帆がまさにそうだった。彼女の名は小学5年生ごろから知っていた。地元紙にカラー写真入りで「スーパー小学生」として紹介されていた。ゆっくり話をしたのは昨年9月。僕のスケート教室に来て「清水さんは刃のどの部分でけるんですか」と積極的に質問してきたのを覚えている。
そんな彼女が15歳で本当にバンクーバーまでやってきた。
1000メートル、最下位の35位。それでいいではないか。1週間前の練習では、レースを滑れるのかと思うほど体が重かった。初めての長い海外合宿の疲れもあっただろう。それにしては、立て直した方だ。
自分が初出場したリレハンメル五輪を思い出す。地元ノルウェーの英雄ヨハン・オラフ・コスがいて、スケート熱が沸点に達し、ハーマルの会場の熱気は想像を超えていた。僕はそんな大観衆の前で滑るのが初めてで、すっかり舞い上がってしまった。自分の滑りなどできなかった。
長野五輪でこそ、自分をコントロールする方法を覚え、金メダルを取らせてもらったが、初出場の五輪はそんな思い出しか残っていない。
その時の僕に比べれば、高木は堂々としていたのではないか。確かに笑顔にも、無理に楽しもうという感じはみえた。それでも自分をよく保てたと思う。
元々、1000メートルは専門の種目ではない。1500メートル、女子団体追い抜きになれば、また様子は違ってくるだろう。
高木にはこの五輪で何か次への課題を探してほしい。僕はリレハンメルで500メートル5位に敗れたあと、1000メートルのレースまでの間、あらゆる選手を観察した。金メダルを取る選手はどこが違うのか。トレーニング、メンタルの持っていき方。それが、長野五輪に生きた。高木は会社員でいえば、まだ研修中の身だ。いろんなことを学んで、吸収してほしい。
五輪は2回目の出場が一番メダルを取りやすい。僕もそうだったし、長島圭一郎や加藤条治もそうだ。彼女はソチ五輪への一歩を、今踏み出したところだ。(長野五輪金メダリスト・清水宏保)
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(日本時間)03月01日(月)07時58分現在
順位 | 国 | ![]() |
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1 | ![]() |
14 | 7 | 5 |
2 | ![]() |
10 | 13 | 7 |
3 | ![]() |
9 | 15 | 13 |
4 | ![]() |
9 | 8 | 6 |
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6 | 6 | 2 |
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0 | 3 | 2 |
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