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2012年1月19日
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「完璧な一杯」目指して イギリス、お茶のあれこれ

文と写真:マクギネス真美

写真:硬水用と明記されたヨークシャー・ティー拡大硬水用と明記されたヨークシャー・ティー

写真:中国茶やグリーン・ティーも手軽なティー・バッグ入りがたくさん登場している。オーガニックなものが人気拡大中国茶やグリーン・ティーも手軽なティー・バッグ入りがたくさん登場している。オーガニックなものが人気

写真:イギリスで買うことのできるビスケットの種類の多さには驚く拡大イギリスで買うことのできるビスケットの種類の多さには驚く

 前回ご紹介したイギリス人たちの紅茶の飲み方について「意外だ」「知らなかった」など、メールやツイッターなどで感想メッセージをいただいた。

 ボーン・チャイナのティー・セットに、こだわりの茶葉で優雅にアフタヌーン・ティーをするのがイギリス人、というイメージを抱いていた方にとっては、英国で消費される紅茶の96%がティー・バッグでいれられたものだというのは、確かにちょっとショッキングだったかもしれない。

 とはいえ、多くのイギリス人が紅茶を好み、毎日飲み続けていることにかわりはない。今回はもう少し、イギリスで飲まれている紅茶にまつわる話をお伝えしようと思う。

硬水用と軟水用、ティー・バッグにも区別

 さて、日本にいる紅茶好きの人が「イギリスの水は硬水だから紅茶がおいしい」というのを何度か聞いたことがあるが、イギリスで紅茶についての著書を何冊も上梓している紅茶スペシャリスト、ジェーン・ペディグリューさんが書かれていたところによると、実は「硬水だから紅茶がおいしい」ということはないのだそうだ。むしろ軟水のほうが色が鮮やかにでて、風味もいいという。

 硬水と軟水では紅茶の色や香りの出方が違うということで、わざわざ硬水用のティー・バッグを販売している会社がある。ヨークシャー・ティー(Yorkshire Tea)というブランドのティー・バッグを販売しているテイラーズ・オブ・ハロゲイト(Taylors of Harrogate)社だ。同社の説明によると、紅茶にとって水はたいへん重要なので、19世紀、創業者チャールズ・テイラーの時代からそれぞれの土地の水に合わせた紅茶をブレンドしていたという。

 イギリス国内全土では、必ずしも硬水の地域が多いというわけでもないのだが、ロンドンの水は硬水。なので、ロンドン滞在中にティー・バッグで紅茶を入れる機会があれば、この硬水用のものと普通のもので味を飲み比べてみるのも面白いだろう。

お土産にいいかも?パイナップル風味のグリーン・ティー

 イギリスのスーパーで紅茶を買おうと陳列棚を見ると、紅茶以外のティー類の種類の多さに驚くことになる。カモミールやペパーミントといった、ずいぶん前から定番的に売られているハーブ・ティー以外にも、フルーツのフレーバー・ティーがあったり、特にここ数年では、グリーン・ティーや中国茶系のティー・バッグの種類が急増しているのに気づく。

 グリーン・ティーといっても、日本の緑茶を飲み慣れた身からすると、香りや風味に欠けるという印象なのだが、こちらでは、健康にいい、とかダイエットにいい、という話が伝わっていることもあってか、ずいぶんたくさん出回るようになった。

 驚くのは、グリーン・ティーにブルーベリー&ラズベリー、パイナップル&グレープフルーツ、またはレモンなどの風味をつけたり、ブレンドしたり、といったさまざまな種類が存在すること。

 日本人からすると混ぜ物のグリーン・ティーというのはちょっと邪道のような気がするが、日本の緑茶とはまったくの別ものと考えれば、日本ではあまりお目にかかれないイギリスらしい(?)、かつもの珍しいお土産として喜ばれるかも。

紅茶につきもの、ビスケット

 イギリスで紅茶のおともに欠かせないものといえば、ビスケット。日本ではクッキーと呼ぶことが多いが、イギリス人いわく「クッキーはアメリカのもの」とのことで、イギリスではサクサクした焼き菓子系スナックはビスケットと呼ばれる。

 甘いもの好きの女性に限らず、男性だって、紅茶とともにビスケットを出せば「おぉ、ビスケット!」と、たいがいの人は手を伸ばす。

 先日、我が家にボイラーの修理に来てくれた男性二人組も、マグに注いだミルクティーとともに出したビスケット数個をしっかり食べてくれた。そのとき、片方の人がビスケットを紅茶にひたして食べていたのを見て「あ、やっぱり」と思った。

 ビスケットをこうして食べる人が、この国には結構存在するのだ。

 子どもの頃、給食のパンを牛乳にひたして食べる級友を見るだけで気分が悪くなった身には、初めてこれを見たときには、果たしてそれがおいしいものなのかどうかという疑問がわいた。でも、試してみると、それほど悪くない。というか、紅茶にひたしたビスケットは口の中にいれると、とろけるようにあっという間になくなってしまい、ついあとをひく。

 ビスケットを紅茶にひたすことを英語でダンク(dunk)と言うが、イギリスでは男性がダンクしているのを見ることが多いように思う。というか、女性の場合は、お行儀が悪く見えると思って家族や親しい友人などの前でしかしないのかもしれないが。

 ダンクする(できる)ビスケットに決まりはない。シンプルなビスケットを好む人もいれば、チョコレートつきや、クリームが挟まったものでもどっぷりと紅茶につける人だっている。

 これらのビスケットは1〜2ポンドくらいで買うことのできるものがスーパーにはたくさん並んでいる。こちらも手頃なお土産としておすすめだ。

 お気に入りのマグにティー・バッグでいれたあつあつのミルク・ティー、そこに好みのビスケットをひたして、さあ、あなたもイギリスらしい完璧な一杯の紅茶(the perfect cuppa)をどうぞ。

プロフィール

マクギネス真美さん プロフィール画像

マクギネス真美(まくぎねす・まみ)
9年半の雑誌編集者時代を経て2003年渡英。共著『ハッピーハッピーロンドン』(双葉社)。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」では電子書籍のレビューをしている。辛抱を強いられる公共交通機関、街中のおかしな看板や不思議な食べ物など「イギリスの実態」を、おもしろ画像とともに自身のウエブサイトでレポート。最新情報はツイッターでもつぶやいています。
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