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2012年2月2日
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「オイスターカード」でロンドンを乗りこなそう

文と写真:マクギネス真美

写真:オイスターカードのデザインは、青が基調となっている拡大オイスターカードのデザインは、青が基調となっている

写真:オイスターカードがあれば、改札にあるカードリーダーにタッチするだけで切符を買うために並ばずにすむ=ロンドン交通局提供(©Transport for London)拡大オイスターカードがあれば、改札にあるカードリーダーにタッチするだけで切符を買うために並ばずにすむ=ロンドン交通局提供(©Transport for London)

写真:オイスターカードを取り扱っている店(ニュースエージェント)の店頭拡大オイスターカードを取り扱っている店(ニュースエージェント)の店頭

写真:購入するときは「オイスター」の青いマークを目印に
拡大購入するときは「オイスター」の青いマークを目印に

写真:「Off Licence」は新聞、タバコやお菓子に飲み物等を販売する、コンビニのような存在。街中ではこうした小さなショップでオイスターカードを取り扱っている拡大「Off Licence」は新聞、タバコやお菓子に飲み物等を販売する、コンビニのような存在。街中ではこうした小さなショップでオイスターカードを取り扱っている

写真:オイスターカードは鉄道乗車の際にも利用できるが、駅によっては使用できない場所もあるので、事前に確認しておこう拡大オイスターカードは鉄道乗車の際にも利用できるが、駅によっては使用できない場所もあるので、事前に確認しておこう

写真:昨年4月に特別エディションとして発売されたウイリアム王子ご成婚記念のオイスターカード=ロンドン交通局提供(©Transport for London)拡大昨年4月に特別エディションとして発売されたウイリアム王子ご成婚記念のオイスターカード=ロンドン交通局提供(©Transport for London)

 「これってなんでオイスターカードっていうの?」

 日本からロンドンを訪ねてきた友人たちに必ず聞かれる質問だ。

 オイスターカードは日本で使われているJR東日本のSuicaなどにに似た、ロンドン交通局が発行している定期券及びプリペイドカードとしても使用できるICカード。ロンドンでは、地下鉄、バス、トラムや鉄道(全域ではない)などの交通機関で利用することができる。

イギリスらしい「オイスター」命名の由来

 かつてはポンド高も手伝って、初乗り料金が世界一高いと言われていたロンドンの地下鉄運賃。それが、これを使うと現金で支払うよりもかなり割安になるというお得で便利なカードだが、確かに、なぜ「オイスター」なのだろう。

 ロンドン交通局に尋ねてみると、広告代理店によるプレゼンテーションのような、やや理屈っぽい、でも興味深い答えが返ってきた。

 「ロンドンで初めて発行されるスマート・カードですから、その名前は大変重要です。 他にはないユニークなもので、記憶に残り、かつシンプルな単語で覚えやすく、そして呼びやすいものにしなくてはいけません。それで、次のような理由から『オイスター』が選ばれました」

 「まずは、貝殻の頑丈さからのイメージとして『セキュリティ』の意味を、そして真珠貝(パールオイスター)のイメージから『価値』を表すということ。そして、スマート・カードというもの自体が、導入された当時はとても革新的なものだったので、名前もそれにふさわしく斬新なものにしたのです」

 「また明確で簡単な英語で、時代や流行を感じさせない名前であることも重要でした。それから、ローマ時代には、テムズ川でカキが養殖されていた、というロンドンの歴史にも関係しています」

 こう説明されると「オイスター」と名付けられたことに説得力を感じるような気がするから不思議だ。

 「それに、オイスターという名前は"The world is your oyster"という慣用句にも関連しています。オイスターカードを使用する人々は、ロンドンの公共機関を使って楽々と移動する、ということを反映させてもいるのです」

調べてみると"The world is your oyster"というのは「世界はあなた次第でいかようにもなる」といった意味をもつとのことだが、ここまで色々と交通用ICカードの命名に理由をつけるあたり、さすがイギリス、というべきだろうか。

現金支払いに比べてかなりの割安

 市内中心部からの距離に応じた「ゾーン」によって区切られているロンドンの交通網。 オイスターカードが現金での支払いに比べてどれくらい得かというと、例えば、地下鉄でゾーン1内を移動する場合、現金では4.30ポンドかかるところ、オイスターカードを利用すれば2ポンドですむ。現金での運賃が高く設定されているのは、乗客にオイスターカードの利用を促進するためとも言われているが、たしかに半額以下となれば、たいていの人はカードを利用するだろう。また、一日の支払い上限価格(daily price capping)が設定されていて、それを超えたぶんの利用は一切課金されないというのも、このカードの特徴だ。

 ロンドン交通局による料金設定はゾーン分け以外にも、ピーク時、オフピーク時といった時間帯でも違いがあり、かなり細かく分かれている。行き先と照らし合わせて確認したい方は、交通局のウエブサイトを見ていただければ、と思う。

購入もチャージも、かんたん

 オイスターカードが導入された2003年当時は、購入の際に購入者登録が必要だった。そうすると、カード保持者の使用履歴の確認が可能ということで、交通局による監視、人権侵害だなどと言ってカードを利用するのをかたくなに拒否し、通勤にも従来の紙製の「トラベルカード」を買い続けていた友人がいた。

 しかし、現在では1カ月以上の定期を購入するのでなければ、登録は任意とされているので、旅行者にとってもより気軽に購入することができるようになったのではないだろうか。

 オイスターカードの購入は、地下鉄や鉄道の駅窓口、あるいは、'Oyster Ticket Stop''Oyster available here'などと書かれたステッカーや看板のあるお店などで可能。最初の購入時には保証金として5ポンドを余分に払う必要があるが、これは、カードが必要なくなった段階(帰国前)で、窓口にてカードを返却すれば戻ってくる。

 また、渡英前に英国政府観光庁のオンラインショップで購入することもできるので、日程に余裕のある方はこちらを利用されると、ロンドン到着当日にスーツケースを持って窓口に並ぶ必要がなく、便利だろう。

 いったんカードを購入してしまえば、その後、チャージをするのは簡単だ。窓口以外でも、駅にある券売機や、街中にある「オフライセンス」や「ニュースエージェント」などと呼ばれる、コンビニエンスストアのようなお店でも、前述のようにオイスターカードの扱いをしている案内があるところならば、いつでも可能だ。

待ち遠しい「スペシャル版」オイスターカード

 昨年4月に、オイスターカードがニュースになったことがあった。というのも、ウイリアム王子のロイヤルウエディングを記念した、特別バージョンのカードが限定発売されたからだ。

 観光客、ロンドナーを含めて75万枚が売れたとのことで、この企画は大人気だったようだ。

 今年はエリザベス女王の即位60周年記念である「ダイアモンド・ジュビリー」や、オリンピックという大イベントを控え、また特別オイスターカードが発行されるのでは?と期待して聞いてみたが「ロイヤルウエディング以外にも、新たな限定版オイスターカードの発売を検討してはいますが、まだ詳細は確認できていません」というのがロンドン交通局からの返事。

 さて、エリザベス女王か、オリンピックか、あるいはそのどちらもか。次のスペシャル版オイスターカードの発表が楽しみだ。

   

プロフィール

マクギネス真美さん プロフィール画像

マクギネス真美(まくぎねす・まみ)
9年半の雑誌編集者時代を経て2003年渡英。共著『ハッピーハッピーロンドン』(双葉社)。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」では電子書籍のレビューをしている。辛抱を強いられる公共交通機関、街中のおかしな看板や不思議な食べ物など「イギリスの実態」を、おもしろ画像とともに自身のウエブサイトでレポート。最新情報はツイッターでもつぶやいています。
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