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2012年2月13日
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ブルーが目印、レンタル自転車でロンドンをスイスイ?

文と写真:マクギネス真美

写真:地下鉄ラッセル・スクエア駅の前にあるドッキング・ステーション拡大地下鉄ラッセル・スクエア駅の前にあるドッキング・ステーション

写真:レンタル・バイクの事業は、ロンドンに本拠を置く国際金融グループ、バークレイズがスポンサーとなっている
拡大レンタル・バイクの事業は、ロンドンに本拠を置く国際金融グループ、バークレイズがスポンサーとなっている

写真:ドッキング・ステーションにあるターミナルで契約、支払いをする拡大ドッキング・ステーションにあるターミナルで契約、支払いをする

写真:登録や支払いのための画面では日本語も選べるのがありがたい
拡大登録や支払いのための画面では日本語も選べるのがありがたい

写真:並んでいる自転車はどれでも好きなものを選ぶことができる拡大並んでいる自転車はどれでも好きなものを選ぶことができる

写真:左側が自転車をリリースするコードナンバーの書かれたもの。自転車をドッキング・ポイントからはずす方法の説明はこれを見て。右は使用した後に出てくる「走行記録」。クレジットカードでの課金を確かめる際のためにも、きちんと保存しておいたほうがよい拡大左側が自転車をリリースするコードナンバーの書かれたもの。自転車をドッキング・ポイントからはずす方法の説明はこれを見て。右は使用した後に出てくる「走行記録」。クレジットカードでの課金を確かめる際のためにも、きちんと保存しておいたほうがよい

写真:自転車レンタルに関するリーフレットやロンドンのサイクリング・ガイド(どちらも無料)は、観光案内所や地下鉄の駅などで入手できる拡大自転車レンタルに関するリーフレットやロンドンのサイクリング・ガイド(どちらも無料)は、観光案内所や地下鉄の駅などで入手できる

 ロンドンの街を歩いていると、青い色の駐輪場と、お揃いの青色をして並んでいるたくさんの自転車に気づく。

 これは、通称「ボリス・バイク」と呼ばれているレンタル・サイクルだ。

 イギリスでは自転車のことを「バイク」と呼ぶ。また「ボリス」とは、自らも自転車愛好者として知られ、このレンタル自転車事業を導入したロンドンの現市長、ボリス・ジョンソン氏の名前からきている。

 2010年7月末にロンドンに登場したこの青いレンタル・バイク。これまで一度も試したことがなかった。今回、このコラムで紹介するために初めてチャレンジしたのだが、実は少し恐怖感があった。

 というのも、イギリスでは自転車は車道を走らなければならないからだ。

 正確には、日本でも「自転車も通れます」という標識のある歩道以外は、車道を走らなければいけないらしいが、車道でトラックやバスと隣り合わせぎりぎりのところを走って怖い思いをした、という記憶がなぜかまったくない。だから、ロンドンで、二階建てバスやブラックキャブに囲まれて自転車に乗る、と想像するだけで、怖くて仕方なかったのだ。

 それに、見た目は日本でいう「ママチャリ」に似ているとはいえ、イギリス人の体型に合わせているであろうボリス・バイクの、地面からサドルまでの高さに自分の脚が足りるのかどうかも不安だった。

 ロンドン中心部で初めて自転車に乗るのだから、無理は禁物。なるべく車の少ないエリアを選ぼう、と決めた。とはいえ、ロンドン観光に来る読者の方に少しでも参考にしてもらえる場所がよいだろうから、以前ご紹介した大英博物館周辺でトライすることにした。

市内中心部の至る所にあるステーション

 地下鉄ラッセル・スクエアの駅を降りてすぐのところに「ドッキング・ステーション(docking station)」と呼ばれるレンタル・サイクル専用の駐輪場がある。ロンドン市内に約400カ所あるといわれる、このステーションがあるところなら、どこででも、自転車を借りたり、返却したりできるシステムだ。

 ここから大英博物館までは、徒歩でも10分とかからない。そしてこのあたりは大学のキャンパスがあり、都心の雑踏はあまり感じない、散歩にもよいエリアなので、初乗りにはよさそうだ。

 まずはステーションに設置されている「ターミナル(Terminal)」と呼ばれる縦長の端末にて、貸し出しの手続き。

 クレジットカードのみの利用が可能で、前回ご紹介したオイスターカードは利用不可なので注意。画面では言語が選択でき、日本語もあるので安心だ。

 まずは自転車を借りる、というところを選択し、利用規約に同意。契約期間1日を選択し、借りる自転車の台数を選択。契約内容を確認、OKをして、クレジットカードを入れて暗証番号を押せば、手続きは完了。1日の契約料は1ポンド。ここまでは画面の指示通りにやれば難しいことは、まったくない。そして再度自転車を借りるを選択し、貸し出し約款に同意、クレジットカードを入れて暗証番号を押すと、自転車のロックをはずすための5桁の数字(コード)が書かれた紙が出てくる。これを持って自分の好きな自転車のところ(ドッキング・ポイント)に行き、自転車の前方左側にあるナンバー・パッド(1〜3の番号がついている)にその番号を入力する。

自転車が取り出せない?

 「31223」。紙に印刷された番号をおすと…。上についているライトの真ん中、黄色が点滅しだした。そして、少しすると右の青に変わる。「あ、今、出さないと」と思い、強く自転車を後ろにひっぱるのだが…。

 でない。でてこない。

 「えーと、たしかに23kgある重い自転車だとは聞いていたが、でないはずはない」と、思うものの、焦ってより強くひっぱっても、自転車はやはりドッキング・ポイントからでてこない。何度もひっぱっているうち、青いライトは消えてしまい、自転車引き出しの時間は終わってしまったようだ。

 一度自転車の引き出しに失敗したら、もうこの番号は無効になってしまうのだろうか、という疑問がわいたが、とりあえず、再度同じ番号を押してみた。するとまた黄色のランプが点滅、そして青へと変わった。

 でも「ダメもと」と思っていたので、気持ちの準備ができておらず、また取り出しに失敗。結局、三度目にやっとなんとか自転車をリリースすることができた。あとで冷静になって説明を読み直したら、コードが発行されてから10分以内に自転車を引き出さないと、無効となるとのことだった。こんなにもたもたしたものの、さすがに10分はかかっていなかったらしい。とにかくほっとすると同時に、なんだかますます緊張してきた。

やっぱり怖い、車道の走行

 自転車を取り出したら、まずはタイヤ、ブレーキのチェック。そして、サドルを一番低い位置になおす。乗ってみると、やはり、足がギリギリ地面に届くくらいだ。どっしりと安定感があるので乗り心地は悪くない。

 大英博物館の方角を目指して漕ぎだす。次々と二階建てバスが走ってくるラッセル・スクエアの通りにでると、とたんにたくさんの車が後ろから迫ってきて、なんとなく自分の走り方がぎこちなく、ふらふらしてくる気がする。博物館に行くには右折をしないといけないのだが、車道の左端からどうやって右折してよいものか、迷っているうちに怖くなって自転車を降りてしまった。そして(多分いけないのだろうが)自転車をおし歩きしながら交差点を渡った。

 バス通りを右折してしまえば、車の少ない路地だ。2〜3分も走らないうちに、大英博物館東側にあるドッキング・ステーションに到着。すぐに、ドッキング・ポイントに自転車を返却する。しまう時は、わりあいすんなり自転車を戻せたので助かった。

 ステーションの端末で利用記録を印刷すると、出発が15時16分、到着が15時26分となっていた。徒歩でも5分くらいの距離に10分かけたことになる。ただ、それほど周りを見渡している余裕はなかったとはいえ、これまでとは違う、自転車から見たロンドンを垣間みれたのだから、悪くない体験だったと思う。

30分以内なら使用料は無料

 ちなみに料金は、1日契約の1ポンドのほかに使用料の支払いが必要だ。ただし、30分以内に返却した場合には無料。それ以降は1時間以内1ポンド、1時間以上1時間半以内4ポンド、2時間まで6ポンド、といったように時間ごとに決められており、最長で24時間の貸し出しが可能で利用料は50ポンドとなっている。支払いはすべてクレジットカードからの引き落としとなる。

 実はこのあと、車の少ないところを探してピカデリー・サーカスの裏通りのあたりで再チャレンジしたのだが、やっぱり自転車の引き出しは一度でできず、二度目の青ライトで成功。また、大通りでの右折がこれまたできず、左折だけを繰り返してぐるぐるしたあげく、元のドッキング・ステーションから数百メートルしか離れていない場所に自転車を返却。その頃には日が暮れて雪まで降り出してきたため、初のレンタル・バイク乗りは、おしまいとした。

 なんだかお恥ずかしい体験記になってしまったが、ふだん自転車に乗りなれている方なら、もっとすいすいとロンドンのサイクリングを楽しめるに違いない。

 イギリスの車は日本と同じ左側走行なので、自転車も当然同じ。そういう意味では、車の運転をする方にとっては、走行のルールはそれほど難しいことではないとも思うし、短い時間(30分以内)で何度も利用する、というやり方ならレンタル料金も格安だ。契約料の1ポンド以外は必要ないので、交通費節約にもなる。

 市内の観光案内所などでは、無料のサイクリング・ガイド(地図)をもらうことができるし、ロンドン交通局のウエブサイトでは、目的地を入力すると、自転車のルートを地図上で示してくれる「サイクル・ジャーニー・プランナー(Cycle Journey Planner)」というサービスがある。ロンドンは初めて、という方でも、チャンスがあれば、自転車で巡るロンドンを試してみてはいかがだろう。

プロフィール

マクギネス真美さん プロフィール画像

マクギネス真美(まくぎねす・まみ)
9年半の雑誌編集者時代を経て2003年渡英。共著『ハッピーハッピーロンドン』(双葉社)。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」では電子書籍のレビューをしている。辛抱を強いられる公共交通機関、街中のおかしな看板や不思議な食べ物など「イギリスの実態」を、おもしろ画像とともに自身のウエブサイトでレポート。最新情報はツイッターでもつぶやいています。
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