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2012年3月22日
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女王の在位60周年を祝う 広壮なウィンザー城へ

文と写真:マクギネス真美

写真:ウィンザー城の建物。右側に見えるのがラウンド・タワー。女王が城にいるときは王室旗が、不在のときは英国国旗が掲げられている拡大ウィンザー城の建物。右側に見えるのがラウンド・タワー。女王が城にいるときは王室旗が、不在のときは英国国旗が掲げられている

写真:バッキンガム宮殿と同様、衛兵が城の要所に配置されていて、衛兵交代をかなり至近距離で見ることができる拡大バッキンガム宮殿と同様、衛兵が城の要所に配置されていて、衛兵交代をかなり至近距離で見ることができる

写真:ちゃんと見えているのだろうか、と余計な心配をしてしまった拡大ちゃんと見えているのだろうか、と余計な心配をしてしまった

写真:衛兵交代は午前11時から。映画「007」や「ハリー・ポッター」のテーマ曲の演奏もあった拡大衛兵交代は午前11時から。映画「007」や「ハリー・ポッター」のテーマ曲の演奏もあった

写真:ゴシック様式のセント・ジョージ教会拡大ゴシック様式のセント・ジョージ教会

写真:城の南側に4.8kmにわたってのびる「ロング・ウォーク」。車や馬車での通過は王室関係者のみに許されていて、一般客は徒歩での入場のみがゆるされているという拡大城の南側に4.8kmにわたってのびる「ロング・ウォーク」。車や馬車での通過は王室関係者のみに許されていて、一般客は徒歩での入場のみがゆるされているという

写真:城内で購入できる「ダイヤモンド・ジュビリー・スペシャル・ブレンド」の紅茶。ティーバッグ50入り8.95ポンド(左)、ミントの詰め合わせ5.95ポンド(右の小さな缶)
拡大城内で購入できる「ダイヤモンド・ジュビリー・スペシャル・ブレンド」の紅茶。ティーバッグ50入り8.95ポンド(左)、ミントの詰め合わせ5.95ポンド(右の小さな缶)

 今年のロンドンは、オリンピックの前、6月にも大きなイベントを控えている。エリザベス女王在位60周年を祝う「ダイヤモンド・ジュビリー」だ。

オリンピックについては、まだ今ひとつ盛り上がりに欠けているといわれるロンドンだが、ダイアモンド・ジュビリーについては、国内のブランドやショップで記念商品の発表、発売がつぎつぎに始まっていて、現在のところ、こちらのほうが注目度が高いといった印象。

 ダイヤモンド・ジュビリーの行事についての詳しい日程や内容は機会をあらためてご紹介することにして、今回は、現在、女王の在位60年間の歴史をたどる特別写真展が開催中の、ウィンザー城を訪ねたときのお話。

 現在も居城として利用されているものとしては、ここが世界最古で最大だというウインザー城は、英国王室によって900年もの間、少しずつデザインの変更や増築をされながら使用されてきた。歴史的にも重要なこの城が、1992年に火災に遭ったことはイギリス人の多くが覚えているところ。バッキンガム宮殿を一般公開するようになったのは、この修復費用を捻出するために王室がとった方策で、おかげで毎年夏には一般の人々もバッキンガム宮殿に入ることを許されるようになったという経緯がある。

60年の女王の歴史を60枚の写真で紹介

 ダイヤモンド・ジュビリーを記念したエリザベス女王の写真展としては、現在、ヴィクトリア&アルバート博物館で開催中の、セシル・ビートン撮影による写真の特別展が好評を得ているが、そちらは会期が4月22日まで。ウィンザー城の写真展’The Queen: 60 Photographs for 60 Years’は10月28日までの開催なので、オリンピック時期にロンドンに来る予定の方でも、こちらの写真展には間に合う。

 60年にちなんで60枚展示されている写真には、戴冠式へ向かう前の様子を写したものをはじめとして、公式行事などでの女王の表情だけでなく、ホリデーに出かけるときにペットのコーギー犬を連れ歩く姿といった、緊張のほぐれた表情のものも含まれている。家族と一緒の写真もたくさん展示されているが、ダイアナ元妃の写っている写真が一枚だけ混ざっていたのは、ダイアナファン、あるいは彼女の残した王子たちへの配慮だろうか。  「この時は服と帽子がマッチしていなかったね」

 「ウィリアム王子がほらまだこんなに小さい。かわいい」

後ろにいた二人の中年女性たちの会話についつい聞き耳をたててしまう。ひとつひとつのコメントが、まるでタレントの写真を見ているときのようだ。不謹慎かもしれないが、たしかに多くの人にとっては、王室の人々の存在というのは、タレントを見るのと似たような感覚なのかもしれない。それを証明するように、イギリスで発行されている有名人のゴシップやニュースを扱って人気の週刊誌「Hello!」では、このところ、毎週のようにエリザベス女王やキャサリン妃など、王室の女性たちが表紙を飾っている。

 個人的に気に入ったのは、1968年、写真家のジョン・スコット(John Scott)によって撮られたという、女王とエジンバラ公のツーショット。バドミントンでの馬術競技を観覧にでかけた際のもので、サングラスをかけ、双眼鏡を首からぶらさげたお二人が、遠くを見つめている写真。国内ではあまり評判のよくないエジンバラ公だけれど、このときの様子は、まるでファッション雑誌の1ページのようだった。

見学に一日かかりそう?見どころの多い城内

 さて、この写真展の会場は、ウィンザー城の見学の最後のほうにあたる。そこに来るまでに、お城の中を許された範囲のみだが自由に回ることができるのだが、ずいぶんとたくさんのスペースを一般公開していることに驚かされた。

 国賓を迎えた際に晩餐会を催す広間などがあるステート・アパートメンツ(State Apartments)には、王室のコレクションであるレンブラントやルーベンスといった画家たちの絵画がいくつも飾られ、それらもすべて見学することができる。また、大英帝国時代に世界中から持ち帰られた彫刻や装飾品など王室の威厳を見せつけるかのような展示物も、文字通り数えきれないほどある。

 また、英国ゴシック建築の傑作のひとつともいわれ、チャールズ一世やヘンリー八世、エリザベス女王の両親であるジョージ六世(2010年の映画「英国王のスピーチ」の主人公)とエリザベス王太后など、王族十名の墓があるセント・ジョージ教会も、日曜以外であれば信者でなくとも入ることができる。

 城内に入るためセキュリティ・チェックを受けたすぐ後、無料オーディオ・ガイドの貸し出しがあり、そのガイドに従って城内を見学するのだが、説明をひとつひとつ確認しつつ、じっくり見ていたら、しっかり半日はかかってしまう。

 ただ、敷地内にはちゃんとお土産のショップもあるし、ウエブサイトでは「試験的な試み」とされているが、サンドウイッチや飲み物がいただけるカフェもある。せっかくなら一日かけてゆっくり「女王様のお宅」を見て回るのもよいのではないだろうか。

 そしてお土産には、やはり今年限定のダイヤモンド・ジュビリー記念グッズが、珍しさという点ではおすすめといえそうだ。

 なお、ウインザー城は平日でもかなりの入場者数で、特に夏休み中やオリンピックの時期にはより多くの人が訪れると予想される。チケットは事前にオンラインで購入しておいたほうがよいだろう。

プロフィール

マクギネス真美さん プロフィール画像

マクギネス真美(まくぎねす・まみ)
9年半の雑誌編集者時代を経て2003年渡英。共著『ハッピーハッピーロンドン』(双葉社)。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」では電子書籍のレビューをしている。辛抱を強いられる公共交通機関、街中のおかしな看板や不思議な食べ物など「イギリスの実態」を、おもしろ画像とともに自身のウエブサイトでレポート。最新情報はツイッターでもつぶやいています。
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