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2012年6月14日
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楽しい週末のガラクタ市「カー・ブート・セール」

文と写真:マクギネス真美

写真:車の前に台を置いたら、もうそこがお店になる拡大車の前に台を置いたら、もうそこがお店になる

写真:とくに買いたい目的のものがなくても、ぶらぶらしているだけでも楽しいもの拡大とくに買いたい目的のものがなくても、ぶらぶらしているだけでも楽しいもの

写真:戦利品その1。トマトのポット苗はひとつが30ペンス。旅行者は土つき植物を持ち帰ることはできないが、売られている苗を見て、イギリス人がどんな植物を庭で育てているかを知るのも興味深いのでは拡大戦利品その1。トマトのポット苗はひとつが30ペンス。旅行者は土つき植物を持ち帰ることはできないが、売られている苗を見て、イギリス人がどんな植物を庭で育てているかを知るのも興味深いのでは

写真:戦利品その2、ふたつで1ポンド。レンタルするより安いDVDは、見終わって必要がなくなったら、チャリティ・ショップにでも寄付するつもり拡大戦利品その2、ふたつで1ポンド。レンタルするより安いDVDは、見終わって必要がなくなったら、チャリティ・ショップにでも寄付するつもり

写真:花をいけるのにもよさそうなガラスのコンポート、2ポンド。ヴィンテージでもなんでもないが、新品を買えば10ポンド以上はするので、形さえ気に入ればお買い得だ拡大花をいけるのにもよさそうなガラスのコンポート、2ポンド。ヴィンテージでもなんでもないが、新品を買えば10ポンド以上はするので、形さえ気に入ればお買い得だ

 ロンドンには、アンティーク・マーケットやファーマーズ・マーケットなど、観光客が楽しめる市場がたくさんある。中でも、機会があったらぜひ一度訪ねてみることをおすすめしたいのが「カー・ブート・セール(Car Boot Sale)」だ。

「何でもあり」のガラクタ市

 カー・ブートというのは、イギリス英語で、車のトランクのことをいう。つまりカー・ブート・セールとは、車のトランクに詰めて運んできたものを売っている、蚤(のみ)の市のこと。売られているのは、古い本やDVD、服、食器、雑貨に家具におもちゃ、果ては用途不明のものまで、ガラクタの見本市のようだ。

 買う人もそうだが、売る人たちも一般の人なので、たいていは週末に行われることが多く、この季節、お天気さえよければ、大勢の人が詰めかけるほど人気がある。

野菜の苗まで販売

 少し前の天気のよかった週末、久しぶりにカー・ブート・セールにでかけてみた。

 出店をする人は、参加費として12ポンド支払わなければならないが、買い物をするだけなら入場料は50ペンス。会場はかなりの人出で、ベビーカーを押している女性や子供の姿が多い。子供服やおもちゃがカー・ブート・セールでの人気商品のだからのようだ。

 とりあえず、端の列から見ていくと、野菜のポット苗を売っているストール(屋台)があった。趣味でガーデニングをしている人たちの中には、家庭で増やした植物の苗を、こうやって販売する人もいる。

 中でもたくさん種類が並んでいたのがトマト。

 イギリスでは、夏といえども、お日さまが毎日しっかり照る、というわけでもないのだが、なぜかトマトを栽培する人が多く、この時期にはスーパーなどでもトマトの苗が売られているのをよく見かける人気の野菜だ。お店を出している人に「どうしてイギリスではトマトを家庭栽培する人が多いの?」と質問してみると「だって、自分で作ったトマトは味が濃くておいしいから」と、もっともな答えが返ってきた。

値段は交渉次第?

 先に進んでいくと、期待通り「さっきまで使っていたのでは?」と思うような、汚れたヘア・ブラシが台の上に無造作に置かれている。かと思えば、アンティーク風の、銀製とおぼしきティー・セットがあったり、おしゃれなカフェにでも置いてありそうな、風情のある旅行用トランクが売っていたり……。

 まれに値札をつけている人もいるが、たいていは値段は書いてないので、売り手と交渉をすることになる。といっても「これはいくらですか?」と聞くだけなら、難しい英語は必要ないので、心配はない。

 「まとめていくつか買ってくれたら、もちろんディスカウントするわよ」

 こちらが何も言っていないのに、ハンドメイドの刺繍(ししゅう)つきテーブルクロスやコースターを売っているストールの女性が声をかけてくれる。

 隣には、雑貨や日用品に混じって、本やCD、DVDを売っている男性がいた。テーブルの端っこに置かれていたDVDがちょっと気になったので値段を聞くと、1ポンドだという。さきほどの女性にあやかって「2本で1ポンドにしてくれる?」と笑顔で聞いてみたら、OKがでた。

 安く買えたこともうれしいが、こういうやりとりが楽しいのは、やはりこのカー・ブート・セールならでは、という感じがする。

値切り過ぎには要注意

 ただ、気をつけたいのは、何でもかんでも値切り過ぎないこと。

 カー・ブート・セールに何度か出店したことのある隣人によると「買いにきた誰もが皆、あまりにも値切ってくるので、最後のほうはむっとしてしまった」のだという。

 「何度も何度もストールに戻ってきては、値引きを交渉する人がいたから、もう最後には『わたしの言った値段で買いたくないのなら、買ってくれなくて結構』って追い返したわ」と言っていた。

 確かに出店者たちは、主催者に参加費も支払っているのだし、いくらガラクタ市とはいえ、元がとれないような商売はしたくないに違いない。

 カー・ブート・セールでは、もともと値段をあまりにも高くつけている人は少ないので、言われた値段であっても、自分が納得すれば無理に値切らなくても大丈夫。もちろん、値段を聞いたからといって、必ず買う必要もない。

 「ガラクタ」市ゆえ、過剰な期待は禁物。ただし、つい昨日まで家で使っていたようなものまで売りに出ているので、ふだん観光旅行ではのぞくことのできない、イギリス人の生活を垣間見るには最適な場所だと思う。

データ

ロンドンで開かれているカー・ブート・セール会場案内(英語)
予定は変更になる場合があるので、事前に問い合わせを。

プロフィール

マクギネス真美さん プロフィール画像

マクギネス真美(まくぎねす・まみ)
9年半の雑誌編集者時代を経て2003年渡英。共著『ハッピーハッピーロンドン』(双葉社)。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」では電子書籍のレビューをしている。辛抱を強いられる公共交通機関、街中のおかしな看板や不思議な食べ物など「イギリスの実態」を、おもしろ画像とともに自身のウエブサイトでレポート。最新情報はツイッターでもつぶやいています。
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