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2012年8月10日
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熱戦続く会場の外は、美しい花園だった

文と写真:マクギネス真美

写真:オリンピック・パークのガーデンデザインは、シェフィールド大学教授のNigel Dunnettさん、 James Hitchmoughさんと、ガーデンデザイナー Sarah Priceさんを中心になされた拡大オリンピック・パークのガーデンデザインは、シェフィールド大学教授のNigel Dunnettさん、 James Hitchmoughさんと、ガーデンデザイナー Sarah Priceさんを中心になされた

写真:メーン会場の周りにも花がたくさん拡大メーン会場の周りにも花がたくさん

写真:自転車競技場をのぞむ拡大自転車競技場をのぞむ

写真:大スクリーンを前に、芝生の上で観戦拡大大スクリーンを前に、芝生の上で観戦

写真:パークのシンボルともいえるタワー、オービット拡大パークのシンボルともいえるタワー、オービット

写真:このようなアート作品もところどころに展示されている拡大このようなアート作品もところどころに展示されている

 開催前とはうって変わって、イギリスはオリンピックで大騒ぎだ。予想外(?)の金メダルラッシュもあってか、すでに、オリンピック、パラリンピック参加選手たちによる勝利パレードが9月10日に行われるとの発表もされている。

 また、オリンピックが盛り上がったおかげで、8月29日から開催されるパラリンピックも、歴史上最も成功するものになるのでは、と予想されているらしい。人々が、オリンピックでの感動をパラリンピックにも期待して、観戦、応援する人が増えるだろう、というのだ。

オリンピック・パーク見学へ

 そんな英国内での思いがけない盛り上がりの中、オリンピック・パークを訪ねた。

 持っていたチケットは、午後4時から9時までパーク内を見学できるのみで、競技会場にはいっさい入ることができないというタイプのもの。価格は10ポンドだが、チケットにはロンドン市内の公共交通機関を利用できるトラベルカードが付いているので、その交通費代を考えれば、かなりお得な値段といえる。

 競技をしている最中とあって、この時間に入場するのは、パーク内見学の人に限られるからだろう、並んでいる人はいない。空港並みの厳しさと聞いていた入り口では、確かに飛行機に乗る前と同様のチェックを受けたが、係員たちは皆、とてもにこやかで、会場へはあっという間に入ることができた。

美しい草原が現れた

 オリンピック・パークはとてもイギリスらしいものになっていると感じた。というのも、パーク内には緑や草花があふれていて、ところどころに設置されたベンチに腰掛けてのんびりすることができるのだ。大都市ロンドンの魅力のひとつは、街中に公園、そして緑がたくさんあるということだと思うのだが、それがここでも実現されていた。

 中でも気に入ったのは、メドウ(meadow:草原)の美しさだ。カントリーサイドなどでよく見かける、ワイルドフラワーや草が茂る様子を再現した、ナチュラルな植栽。カリフォルニアポピー、マリーゴールド、コーンフラワーなどが植えられたメーンスタジアムの周りは、オリンピック・ゴールド・メドウ(Olympic Gold Meadow)と名付けられていた。開会式に合わせて花のピークがくるように計算されて作られたというが、オリンピック直前は雨が多く、寒かったロンドンで、よくもこんなに花が咲きそろったものだと思う。この美しい花畑を見て、この地域一帯が、かつてはひどく汚染された工業地帯だったと、誰が想像できるだろう。

緑あふれるパークでくつろぐ

 訪ねてみる前、オリンピック・パークというのは、きっとかなり人工的で、ディズニーランドなどのテーマ・パークのような感じではないかと予想していた。もちろん、それぞれの競技場やそれをつなぐ歩道、飲食用の出店が並ぶところなどは、そういう印象を与えるが、ほかの場所は、ほとんどが緑で覆われている、といってもいいほどなのに驚いた。 パーク内には、川も流れている。この地域が再開発される以前はひどい汚染だったというリー(Lea)川に大スクリーンが設置された”Park Live”の両側は広大な芝生のエリアとなっている。そこでは、寝転がって、スクリーンに写し出される競技を見ている人たちが大勢いる。

 「これぞ、ロンドン」という光景だ。というのも、日光が貴重なこの国では、少しでも天気がよければ、公園の芝生の上で日光浴をするのがお約束なのだ。もちろん、ここでは日光浴だけではすまない。この日は体操男子の競技があり、イギリスの選手が登場するたびに歓声があがった。もちろん、こちらは日本の選手が登場するたびに声をあげた。

 生で競技を見られるわけではなく、スクリーンの画面とはいえ、緑に囲まれ、太陽の下で応援するのは気持ちがいい。たくさんの人と一緒に見るのは気分も盛り上がるし、ハイド・パークなどのパブリック・ビューイングにでかける人たちの気持ちがわかる気がした。

大会後は……

 ところで今回のロンドン・オリンピックは、計画段階から、大会後の施設等の再利用を考慮して進められたという点で、今後の五輪開催国のモデルになるとも言われている。また、環境に配慮し、サステナブル(持続可能)な五輪を目指しており、このオリンピック・パークは、それを象徴したものといえるだろう。

 オリンピック・パークが、レガシーとして、英国最大の都市公園として一般にオープンされたときには、ぜひまた訪ねてみたいと思う。そのとき、ここのガーデンや草原、川はどんな景色を描いているだろうか。

プロフィール

マクギネス真美さん プロフィール画像

マクギネス真美(まくぎねす・まみ)
9年半の雑誌編集者時代を経て2003年渡英。共著『ハッピーハッピーロンドン』(双葉社)。「ダ・ヴィンチ電子ナビ」では電子書籍のレビューをしている。辛抱を強いられる公共交通機関、街中のおかしな看板や不思議な食べ物など「イギリスの実態」を、おもしろ画像とともに自身のウエブサイトでレポート。最新情報はツイッターでもつぶやいています。
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