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カナダ、3度目の開催 強化策実るか

2009年4月15日

写真:2月の五輪プレ大会、カナダでのW杯で優勝し、喜ぶハイル=AP拡大2月の五輪プレ大会、カナダでのW杯で優勝し、喜ぶハイル=AP

 カナダには、自国開催の五輪に対するトラウマがある。76年モントリオール夏季五輪、88年カルガリー冬季五輪と過去2回、自国で開きながら、ともに地元選手の金メダルはゼロに泣いたのだ。

 だが、3度目の自国開催、10年バンクーバー冬季五輪では目標を高く掲げている。メダル総数で世界1位になることだ。自信の背景には、03年夏に開催が決まると動き始めた、あるプロジェクトがある。名づけて、「Own the Podium(表彰台を手中に)」計画だ。

 本番までの5年間の総予算はおよそ1億1800万カナダドル(約96億円)。

 プロジェクトの最高経営責任者(CEO)であるロジャー・ジャクソン氏は「強化作戦は順調だ。大会まで1年を切り、これからはメダル獲得の可能性のある選手たちに重点的に強化費を配分する」と語る。

 実際に、その躍進ぶりは目を見張るものがある。

 五輪の開会式(来年2月12日)まであと1年に迫った2月9日。地元紙バンクーバー・サンのスポーツ面トップに、誇らしげなカナダの冬季競技の選手たちの写真が24枚載った。見出しは「成長を満喫しよう」。直前の週にあった国際大会で表彰台に上がったアスリートたちの一覧で、そのうち13種目は金メダルだった。

 アルペンスキーの世界選手権の男子滑降では、ジョン・クチェラがカナダ勢として初めて同種目を制した。

 フリースタイルスキーのワールドカップでは、バンクーバーからの新種目となるスキークロスで、表彰台に上がった6人のうち5人がカナダ勢。モーグルも男女でカナダ勢が優勝した。女子モーグルのトリノ五輪金メダリストで五輪のプレ大会も制したジェニファー・ハイルは「大会前から入念に本番のコースで試走できるのは有利。観客の熱烈な応援からも勇気をもらえる」と話す。経済的にも「昔は海外遠征は自費で賄っていたが、近年は強くなれば、支援してもらえるようになったのは大きい」。

 「国技」アイスホッケーと並び、注目を浴びるのがフィギュアスケートだ。バンクーバーで2月にあった四大陸選手権で、男子はパトリック・チャンが制し、女子はジョアニー・ロシェットが2位。3月の世界選手権でも2人は日本勢を抑えて仲良く銀メダルを獲得した。2人は今月16日から始まる世界国別対抗戦(東京・代々木競技場)で来日する予定だ。

 88年カルガリーでのカナダのメダルは銀2、銅3の計5個。それが06年トリノでは金7、銀10、銅7の計24個になり、メダル総数の国別ランキングでは3位(1位はドイツの29個)だった。

 来年は「地の利」と熱烈な地元ファンの声援が期待できる。強化策を束ねるジャクソンCEOは「来年は金メダル量産で、表彰式ではカナダ国歌を何度も歌えそうだ」と楽しみにしている。(稲垣康介)

(2009年4月15日 朝刊掲載)

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