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ソフト高山「もう1度世界へ」 ボブスレー

2009年10月14日17時31分

写真:パイロットの桧野(右)と初めてプッシュトレーニングをする高山=長野・スパイラル拡大パイロットの桧野(右)と初めてプッシュトレーニングをする高山=長野・スパイラル写真:ブレーカーを争う高山(左)と熊谷(右)。熊谷は陸上女子100メートル障害でトップクラスの現役選手だ=長野・スパイラル拡大ブレーカーを争う高山(左)と熊谷(右)。熊谷は陸上女子100メートル障害でトップクラスの現役選手だ=長野・スパイラル表:他競技出身の主なボブスレー選手拡大他競技出身の主なボブスレー選手

 8月中旬に長野・スパイラルで行われた合宿に参加した高山は、レールに乗せたそりを押す「プッシュトレーニング」で2人乗りを初体験した。傾斜を加速するそりに乗り込むタイミングが合わず転倒寸前に。「転倒すると大けがをするって言われたので、意地でも手を離しませんでした。怖いけど、逆に頑張ろうと思いましたね」。危機を救った人なみ外れた身体能力が、ボブスレーには魅力だ。

 体重があり、そりを押し出す瞬発力にたけている。高山をスカウトした日本ボブスレー・リュージュ連盟の山本忠宏ボブスレー強化委員長は、こう話す。「総重量が決まっているため、体重があれば、そりを軽くできるので有利。彼女の魅力は体重。重いのに走れる。こういう選手を求めてきたんです」

 ボブスレーが他競技からの転向を受け入れている大きな理由は「年齢制限」にある。選手登録は18歳以上のため、ジュニアの育成が難しい。「転倒する危険性が高いこと。それに体重を増しながら最大限のパワーをつける練習は、成長期の子供たちには厳しすぎます」と日本チームの石井和男監督は説明する。

 だから、他競技から優秀な人材を集めることは強化の一環という。操縦役のパイロットには経験が必要だが、そりを押すブレーカーは適性さえあれば短期間で順応できる。

 ボブスレーへの適性判断は、例えば陸上の100メートルなら「40メートルまで国内トップレベルで、筋肉質で身長があること」(石井監督)。そして、「大学で陸上を続けない高校生や脂が乗り切ってきた選手」が勧誘しやすいという。

 ただし、スカウト活動も手順を踏まないとしこりを残すことになる。直接選手に声をかけることはなく、まずは監督や所属先などに打診。第一関門をクリアしてから、選手に興味を持ってもらう。「強豪国は他の競技団体と協力して、選手を紹介してもらうことも多いんです」と石井監督。各競技団体とのパイプづくりが必要だ。

 所属チームで登板機会が減っていた高山は「もう一度、世界のアスリートと戦いたいという思いが強くあったんです」と振り返る。「声をかけられたときにはビックリしたけど、登板できずにモヤモヤしていたので、本当にありがたいと思いました」(斎藤孝則)

(2009年9月25日 朝刊掲載)

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