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勘と体力、試合モードへ フィギュアスケート・高橋大輔

2009年10月29日13時5分

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 大勢の観客の前で滑ったのは約1年ぶりだった。8月22、23日に横浜で行われたアイスショー「フレンズオンアイス」。久々に銀盤でたった一人演じる感覚。「すごく緊張したけど、楽しく滑ることができた。終わった後、お客さんも立ち上がってくれて、僕の方が感動してしまった。試合になると緊張感も違ってくると思うけど、いい一歩が踏み出せた」

 右ひざの負傷で昨季を棒に振った。「新しい自分を作り上げていく作業」と表現する復活のシーズン。慎重に進めてきた。

 先週までプログラムを部分的に分けて練習してきたという。ステップからジャンプ、ジャンプからスピン――。長光歌子コーチによると「プログラムを通しで演じるのは、週に1回程度にしてきた。4回転ジャンプも跳べそうな感じまで仕上がってきたが、あまり(高橋の気持ちを)プッシュしないようにしてきた」と話す。

 高橋自身も、はやる気持ちを抑えてきた。だが、そろそろ試合モードに入る。地元の関大アイスアリーナで続けている滑り込みは、今週から練習の密度を濃くしていく予定だ。

 出場が決まったフィンランディア杯(10月9日から、フィンランド)まで1カ月を切ったからだ。本格的な復帰戦となるのは11月のNHK杯だが、その「助走運転」の場に向け「現在出来ることをしっかりとこなしたい。試合感覚を取り戻すことが大切」と話す。

 故障明けで、「試合勘」と「スタミナ」を課題に挙げる。それらをクリアしながら「自分の演技を試すだけではなく、今、自分が世界のどの位置にいるのかを確かめていきたい」。だが、本音はもっと上を見ている。「選手である限り優勝はしたいし、全試合で優勝を狙っています」

    ◇

 たかはし・だいすけ 86年岡山県生まれ。06年トリノ五輪8位。07年世界選手権銀メダル。関大大学院在籍。

(2009年9月15日 朝刊掲載)

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