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反骨の男、重圧も力に スピードスケート・長島圭一郎

2009年10月29日12時31分

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 カラッとした北海道・帯広の涼風が癒やしてくれる。

 「この合宿はリカバリー(回復)期間。疲れをとって、リラックスしてやりたい」

 加藤条治や吉井小百合らチームの同僚と9月8日から、新設された明治北海道十勝オーバルで練習している。国内2番目となる400メートルトラックの屋内リンク。直前まで、長野・野辺山でショートトラックや陸上トレーニングをして体をいじめたから、今回の練習は軽めだ。同オーバルで来年1月に行われる世界スプリント選手権の下見も兼ねている。

 十勝出身の長島にとって、地元にできた初の屋内リンクだ。「子供たちにとっては、暖かいリンクで練習できるのはいいんじゃないですか」。穏やかな目で故郷の後輩たちを思いやる。

 7月下旬にカナダに渡り、五輪本番のリンクで練習したが、終盤に体調を崩した。それでも、8月上旬のカルガリーの大会「サマークラシック」の500メートルでは、35秒00の好タイムで優勝。「高速リンクなのでタイムが出ただけ。体の動きやスケーティングはバラバラだった」。本人は不満顔だが、今村監督は「滑りは安定していた。練習でも昨季同様、妥協せず限界まで追い込んでいる」。

 フィギュアの浅田真央、モーグルの上村愛子とともに日本オリンピック委員会(JOC)の特別強化指定選手に選ばれ、金メダルを期待される。一気に注目を浴びる存在になったが、マイナス思考とは無縁だ。

 「注目されてやってみたいと思っていたし、人生でこんなに重圧がかかることもないでしょう。それなら、かかっていいんじゃないですか?」

 下からはい上がってきた反骨の男は、周囲の雑音に惑わされず、自分らしさを貫く。

    ◇

 ながしま・けいいちろう 北海道・池田高―日大を経て日本電産サンキョー所属の27歳。昨季は日本短距離のエースとしてW杯総合2位に入った。

(2009年9月13日 朝刊掲載)

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