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頂点のイメージ見えた ノルディック距離・石田正子

2009年10月29日12時41分

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 オーストリアのラムソーに向けて、9月7日に出発した。標高2700メートル超の氷河で滑ったり、1600メートル付近ではスピード練習をしたり――。毎年恒例になっている高所トレーニングは、年間を通じて最もつらい3週間だ。

 「ああ、もうこんな時期になったんだなーと。質も量も多くなるので、けがをしないように気をつけて合宿を乗り切りたいですね」

 1年前とは、立場が大きく変わっていた。夏見円(まどか)(JR北海道)と組んだ今年2月の世界選手権女子団体スプリントで、世界選手権史上日本最高となる4位入賞。3月にはW杯女子30キロクラシカルで3位に入り、長距離種目として日本勢初の表彰台にも立った。

 「昨年の今ごろはW杯(の個人種目)で10番以内に入ったことがなかったので、(世界のトップに入る)イメージができていませんでした。それが昨季に成績を出せたので、オフでもイメージをしながら練習することができてます」

 遠征前の1週間、農業を営む北海道美幌町の実家に帰省した。つかの間の夏休みだったはずが、午前7時すぎから午後5時近くまでイモの収穫を手伝ったという。「おかげで耳の中まで真っ黒」と笑い飛ばすが、90分間のランニングは毎日欠かさなかった。

 「練習以外でも、クロカンのことを忘れたことはないですね。バンクーバーの五輪コースも分かっているので、コース取りを“妄想”したりもしてましたけど」

 今は、すべての時間を競技に費やし、集中している。世界の頂が見えてきているので、迷いはまったくない。

 「時間がもったいない。あっという間に冬は来てしまいますからね。やるからには勝ちたいじゃないですか。勝とうと思わなきゃ、やる意味がないと思うんです」

    ◇

 いしだ・まさこ 初出場の06年トリノ五輪は10キロクラシカルで31位。09年世界選手権の10キロクラシカルでは8位だった。JR北海道所属。28歳。

(2009年9月14日 朝刊掲載)

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