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不動のエースへ 復帰早々 フィギュアスケート・高橋大輔

2009年11月2日12時33分

写真:  

 フィンランディア杯(10月9、10日)を制した翌朝、なかなか起きられなかった。何度も響く時計のアラーム音。やっと目覚めた。

 「試合前の体調が良かったから、余計に体の張りを感じて。特に足の太ももの裏がガチガチ。やっぱり、普段の練習とは違う」

 昨年4月のジャパンオープン以来の試合は、世界のトップクラスが不在。当然のように表彰台の頂点に立ったが、「感慨深さはない。次はこうしないと、ああしないと、ということばかり。お尻をたたかれた感じですね」という。

 特に、体力不足を痛感した。イタリア映画の巨匠・故フェリーニ監督の「道」の音楽を使い、道化師に扮するフリーは4分半。後半から、明らかに自慢のステップやスピンにキレ味がなかった。

 「6分間練習の時に仕上げ過ぎて、本番で疲れてしまった」とも言う。待ち時間の過ごし方など本番に向けた準備。これも取り戻したかった「試合勘」の一つ。体力や技術以外にも課題はまだある。

 この大会で、マネジメント担当者は高橋がアップする様子をそのままメディアに公開した。自分に集中するため、なるべく人目のつかないところでやるのが普通だ。それを、試合直前まで何台ものテレビカメラが一挙手一投足を追う。そんな中で、黙々と柔軟体操などを繰り返した。「どれだけ自分をコントロールできるかを試したい」という高橋の希望。2度目の五輪。注目を浴びるのは分かっている。だからこそ、慣れも必要だ。

 北欧の小さな大会から始まった復活劇。「日本でエースじゃなかったら、五輪で金メダルなんて取れない。強気発言と思われるかもしれないけど、エースと呼ばれるのは当たり前でいたい」。正真正銘の復帰戦となるNHK杯(長野)は6日開幕だ。

    ◇

 たかはし・だいすけ 86年、岡山県生まれ。06年トリノ五輪8位。07年世界選手権で日本男子最高位の銀メダルを獲得。08年四大陸選手権の264.41点は男子の歴代最高得点。関大大学院在籍。

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