2010年2月27日17時0分
バンクーバー五輪のノルディックスキー距離で日本初の五輪メダルを狙う石田正子選手(29)=JR北海道=は負けず嫌いで有名だ。その性格で指導者とよく衝突したが、イタリア人コーチとの出会いで、国際大会で上位を狙える力をつけてきた。27日(日本時間28日)の女子30キロで勝負をかける。
「これ、私からのラブレター」。2004年3月、社会人1年目のシーズンを終えた頃、日本チームのワックスマンだったファビオ・ギザフィ・コーチに一通の手紙を渡している。ディズニーの便箋(びんせん)に英語で思いをつづった。「私は強い選手です。素晴らしい成績を出せると思っています。だから、能力のあるコーチが必要です。誰か紹介してください」。辞書を引き、2時間かかった。
ギザフィ・コーチも手紙を返した。「君はもっとレベルアップができる。強いスキーヤーなんだから」
高校時代、国内のジュニアでは無敵の有望選手だった。シニアになっても国内では常に表彰台に上がったが、国際大会のワールドカップ(W杯)では歯が立たなかった。
世界と戦うにはコーチが必要だと分かっていても強気な性格で衝突し、長く続かない。「けんかしてるわけじゃないんですけど……。お金をもらって競技を続けているので、やれることをやらないとだめじゃないですか」
05年、石田選手のコーチに、手紙を出したギザフィ・コーチが指名された。発案した日本チームの岡本英男ヘッドコーチは「コミュニケーションが上手な彼しかできないだろうと。コーチ資格を持っていたし、会話は英語。言いたい放題の石田でも、一瞬は冷静になれる」。
団体スプリントで4位になった昨季の世界選手権(チェコ)でも、石田選手はギザフィ・コーチと大げんかした。日本の荷物室に石田選手の声が響き渡り、声がもれるのを気にして諭すギザフィ・コーチに「だったら全部聞かせてやる」と窓を全開にする石田選手。そんな態度にも、ギザフィ・コーチは冷静に対応する。「性格が強く、決断力もある。だから、ブレーキをかけてあげないとだめなんだ。スキーをしてなきゃ、かわいい女の子なんだけどね」
世界のトップを目指し、厳しい練習に耐えてきた。昨季のW杯30キロでは3位になった。石田選手のラブレターは、ギザフィ・コーチのシステム手帳に挟んである。(ウィスラー=斎藤孝則)
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(日本時間)03月01日(月)07時58分現在
順位 | 国 | ![]() |
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1 | ![]() |
14 | 7 | 5 |
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10 | 13 | 7 |
3 | ![]() |
9 | 15 | 13 |
4 | ![]() |
9 | 8 | 6 |
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6 | 6 | 2 |
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0 | 3 | 2 |
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