（２７日、スピードスケート女子団体追い抜き）　ほんのわずかの差で２位。掲示板にタイムが表示された瞬間、リンクサイドの高木美帆（北海道・札内中）は両手で顔をおおった。

　前日の１回戦からこの日の準決勝、決勝の３レース、ユニホーム姿でリンクに立つことはかなわなかった。

　決勝レース前のウオーミングアップ。３人の先輩を追うようにジャージー姿でリンクをまわり、１人だけスケート靴を脱いでリンクをあがった。レースが始まると、リンクに身を乗り出し、大声で周数や相手とのタイム差を伝えた。

　レース後、先輩に呼ばれて日の丸を背負って一緒にリンクを回った。レースに出た選手だけがメダルを授与されるため、表彰式後、３人の先輩が銀メダルをかけてくれた。「もちろん滑りたかった。でも一緒に戦わせてくれた先輩に感謝したい」

　次のソチ五輪まで４年。「自分はまだメダルをもらえなくてよかったのかな。ソチに向けてやってやろうという気持ちになりました」