RSS
現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ロンドンオリンピック2012
  3. 五輪総合
  4. 記事
2012年7月30日9時27分

印刷用画面を開く

mixiチェック

このエントリーをはてなブックマークに追加

重量挙げ・八木、笑み絶やさず 「神聖な場所に立てた」

写真:女子53キロ級に出場した八木かなえ=AP拡大女子53キロ級に出場した八木かなえ=AP

【第3日、重量挙げ女子53キロ級】

 重量挙げ女子の八木は、笑みが絶えなかった。スナッチ1回目で82キロに失敗すると、緊張でこわばった苦笑い。力の抜けた2回目は踏ん張る。体操で鍛えた下半身のバネを生かし、会心の笑みで引き上げた。

 日本語で「お願いします」と言って、プラットホームへ。スナッチ82キロ、ジャーク109キロ、トータル191キロは、自己ベスト記録に及ばなかった。初めての五輪の舞台は、12位で終わった。「記録よりも、神聖な場所に立てたのが宝物。あっという間に、楽しい時間、緊張の時間が終わってしまった」。少し寂しそうに笑った。

 前日、尊敬する先輩の三宅が銀メダルをつかんだ。「本当に感動した。メダルのパワーってすごい」。自分の力を知っているから、まだ「メダルを取りたい」と軽々しく口にしない。「練習量を増やして力がつけば、『メダル』を目標にできるかな」

 ジャークの3回目、109キロを挙げて競技を終えた。「最後は応援してくれた人たちに、『ありがとう』の笑顔です」。そう言って、また笑った。(木村健一)

■「2人目のお父さん」監督と二人三脚

 152センチの体が100キロを超すバーベルを持ち上げる。重量挙げ女子53キロ級の八木かなえ選手(20)。その素質にほれ込んだ監督に見守られ、大舞台に挑んだ。

 神戸市出身。5歳から体操を始め、跳馬が得意だった。中学2年には全日本ジュニア体操選手権(2部)で総合7位になった。

 転機は2007年、中学3年の秋。見学に訪れた兵庫県立須磨友が丘高校で、ウエートリフティング部の練習場に立ち寄った。「練習してみてもいいですか」。思い切って聞いた。

 同部監督で、現在は金沢学院大ウエートリフティング部の横山信仁監督(63)は、重りをつけずにシャフトと呼ばれる棒だけを持たせた。「君、何やっとったんや」。その姿勢を見て直感した。「すぐにチャンピオンにしてやる」

 八木選手も迷いはなかった。マンツーマンで練習に励み、すぐに頭角をあらわした。高校1年の夏には高校チャンピオンになった。

 定年を迎えても監督は「おれが面倒見てやる」と指導を続けた。進路は、2人そろって受け入れてくれる金沢学院大に決めた。

 4月の全日本女子選手権。スナッチでジュニア新記録となる86キロをマーク。ジャーク(106キロ)と合わせて計192キロで初優勝し、五輪出場を決めた。

 トレードマークのバーベルを持ち上げた時の笑顔も監督のアドバイスだ。「2人目のお父さん」と八木選手がいえば、娘2人を持つ監督は「3人目の娘」という。「五輪で最高の笑顔を見せたい」と語っていた八木選手。入賞は果たせなかったが、笑顔は絶やさず、「カナエ・スマイル」は間違いなく世界に届いた。(目黒隆行)

検索フォーム

五輪総合最新ニュース

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介

写真

朝刊カレンダー

        26 27 28
29 30 31 8/1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13          
朝日新聞社 アサヒ・コム ロンドンオリンピックTwitter(ツイッター)アカウント朝日新聞社 アサヒ・コム ロンドンオリンピックTwitter(ツイッター)アカウント
ドコモポイントコース