【第16日、陸上男子やり投げ】
男子やり投げで10位に終わったディーンには二つの感情が入り乱れていた。「悔しかった」と「楽しかった」。
高ぶる気持ちを抑えられなかった。1投目は力みから右にそれてファウル。2投目は84メートル28の自己ベストより4メートル以上悪い79メートル95だった。3投目も伸びず、75メートル付近にやりが落ちたが、自らラインを踏み越してファウルにした。「ふがいない」。銅メダルの記録は84メートル12で、自己ベストなら届いていた。
決勝メンバーの12人の中では、優勝した19歳のウォルコットの次に若い20歳。まだまだ先がある。「来年以降、見返したい。表彰台の一番高いところに立ちたい」。日英両方の国籍を持つディーンは、自らのルーツで決意を新たにした。(小田邦彦)