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朝日新聞デジタル
chapter6:このままだと

 2014年の年明け、北米が記録的な寒波に見舞われると、ホワイトハウスは異例のビデオメッセージを発信した。
 「寒波は温暖化が起きていない証拠だという話を信じないでほしい」
 メッセージは、「地球は氷河期に向かっていて、そもそも温暖化なんてない」という懐疑論派を抑える狙いだとささやかれる。
 長期的に見れば、世界の平均気温は18世紀半ばの産業革命前と比べ、すでに1度ほど上昇している。IPCCの予測では、今世紀末までにさらに最大4.8度上昇する。

にぎわいをみせるアラブ首長国連邦のドバイにある世界屈指の屋内スキー場
=2006年10月25日、ロイター

 あまり想像したくない未来をイメージしてみよう。
 標高3千メートル級の氷河で、酸素ボンベを背負って距離スキーをするようになるのか。屋内で開く可能性はどうか。中東カタールのドーハには06年アジア大会で体操、自転車、ボクシングなど7競技を同時に開いた巨大な屋内スポーツ施設アスパイアがある。潤沢な埋蔵量を誇る天然ガスで屋内を冷やせば、距離スキーができるかもしれない。
 アラブ首長国連邦のドバイには、世界最大規模の豪華な屋内スキー場がある。フィンランドでは町おこしで屋内のスキージャンプ場を造る計画もあった。
 もっとも、平均気温が5度近く上昇すると、海水面が平均で82センチ上昇するとされる。高温や大雨、干ばつなど極端な気象現象も増えると予想される。地球の危機だ。
 海洋研究開発機構のスタッフは口をそろえる。
 「地球が将来どのような気候になるかを決めるのは科学者ではない。地球に暮らすすべての人々の意思、そして行動が決めるんです」

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イデオロギーの対立、民族紛争、人権問題……。オリンピックは時代を映す。
温暖化による冬季大会への影響は、私たちへの警鐘にほかならない。