「大地変動の時代」が始まったと言って過言ではない――。火山学者で京都大教授の鎌田浩毅(ひろき)さんが近刊『地震と火山』でそう書いている。2011年の東日本大震災以後、日本列島はいつ、どこで地震や噴火が起きてもおかしくない「活動期」に再び入ったという▼確かに13年には小笠原諸島の西之島(にしのしま)近くで海底噴火があり、溶岩は島をのみ込んで陸地を広げてきた。昨年は57人が亡くなった御嶽山(おんたけさん)の噴火があり、阿蘇山の噴火もあった。不気味な地鳴りを聞く思いがする▼御嶽山の噴火から半年となったきのう、ふもとの町や村で慰霊の行事があった。しかし、6人がまだ見つかっていない。山頂はなお厚い雪に埋もれ、入山規制も続く。捜索の再開は夏ごろになりそうだというのがつらい▼紅葉のシーズンだった。しかも、よく晴れた週末のお昼時。多くの登山者が頂上の付近で眺望を楽しんでいた。行楽にうってつけの条件が重なり、あれほどの犠牲が出てしまった。自然の酷薄非情さを改めて思う▼あの日、御嶽山の噴火警戒レベルは「1」だった。「平常」としていた表現を、「活火山であることに留意」と改める。そんな提言を、国の中央防災会議の作業部会がおととい、まとめた。活火山は、突然噴火することもありうる。安全という誤解を与えてはいけないからだという▼「噴火速報」を携帯メールで一斉配信する仕組みも始めるそうだ。油断を戒め、可能な限りの対策を講じる。火山の国に生きる者の心構えである。