会議は少ない方がいいし、短い方がいい。組織に属していれば多くの人がそう思うのではないか。実のある議論をし、効率的に適切な結論を出す。そんな理想的な会議はなかなかあるものではない▼何人くらいで話し合うのが一番いいのか。この問題についての考察が、有名な『パーキンソンの法則』にある。どんな役所も仕事の量にかかわらず肥大化していくと看破したことで知られる1950年代の著作だ▼英国の歴史学者パーキンソンは、閣僚の定数について分析する。それによると、最も望ましいのは5人である。首相と大蔵、外務、防衛、法務の各大臣で足りる。この程度なら、互いに存分に意見交換し、かつ秘密も保てる▼ところが、内閣はふくらむ傾向をもつ。権力を欲する人々がポストを求めて突き上げるからだ。彼らをおとなしくさせるには人数を増やして処遇するのが手っ取り早い。かくしてやがて2桁となっていく▼20人を超える頃、組織は突然変異を起こす。主要メンバー5人ほどが前もって大体のことを決めてしまうようになる。会議は儀式と化し、時間の無駄となる欠点を法則は示す。翻ってわが日本の閣議は現在、首相以下19人から成る。微妙な数である▼その議事録が、史上初めて公開されたというので読んでみた。お膳立てに沿って淡々と進んでいる。議論はない。所要12分。短いのはいいが、中身は英国発の法則を見事に裏付けているようである。すべて実質は別の場所で決まると考えるしかない。