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 天声人語
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    07月22日付

    ■《天声人語》

     地雷が埋められている国を、まだら模様で表した世界地図を開く。インドシナから中東、バルカン、アフリカに至る範囲で、まだらが目立つ。世界の埋蔵地雷は1億個以上で、20分に1人が死傷しているとの推計もあった(『地雷問題ハンドブック』自由国民社)。

     次に地雷を製造する国を塗り分けた地図を見る。地雷は埋まっていないが製造している国が分かる。目につくのは米、英、仏、そして日本だ。しかし、日本製の地雷は自衛隊が保有している。これまで海を渡っておらず、どの国の人も殺傷していない。

     日本の武器輸出を事実上、全面的に禁止してきた「武器輸出3原則」の見直しを求める提言を、日本経団連がまとめた。提言は国際的に装備・技術の高度化が進む中での立ち遅れなどを懸念する。しかし一般の産業と同じように立ち遅れを問題にしていいのだろうか。

     仮に、輸出が可能になったとする。新技術の開発に努め販路拡張を図るだろう。外国への売り込みも激しくなされる。それは何を意味するのか。兵器産業の場合、取引拡大を望むことは、兵器が使われる状態を望むことにならないか。

     国際ジャーナリスト、A・サンプソンは『兵器市場』(TBSブリタニカ)で「死の商人」の世界ネットワークを描き出した。「政府は、彼ら(兵器商人や製造者)に対し……高度な兵器の目的は本当は人殺しではないと繕えばいいと勧めてきた。しかし、兵器商人も政府も、秘密と欺瞞(ぎまん)で自己防衛しなければならない事を悟っている」

     こんな日本に、してはなるまい。



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