北朝鮮の危うい行動をまず止めるには、根気強く、国際社会の圧力と関与を織り交ぜた対処を続けるほかに道はない。

 その柱の一つである国連安保理の制裁決議がまとまった。今年2回目だった9月の核実験から2カ月半。難産の末、北朝鮮経済の後ろ盾である中国を含め、全会一致で採択された。

 北朝鮮の最大の外貨収入源とみられる石炭の輸出を約6割減らすよう、上限を設けたことが最大の特徴だ。

 銅やニッケル、銀などの輸出は全面的に禁じられるほか、北朝鮮が労働者を派遣してアフリカ諸国などで作らせている銅像を建立する取引も認めない。

 この制裁が実行されれば、北朝鮮の総外貨収入は4割近く減り、核・ミサイル開発のペースは抑えられるとされる。

 ただ、安保理の制裁決議は通算6度目となるが、これまで目に見える効果をあげてきたとは言いがたい。朝鮮半島の不安定化を恐れる中国が、十分に制裁を履行してこなかったことが最大の原因とされる。

 中国にかぎらず、国際的にも包囲網は徹底していない。アフリカの多くの国は、制裁の履行状況を知らせる報告書を、今も安保理に提出していない。

 制裁の実効性を上げるために必要なのは国際社会、とりわけ中国が、責任ある大国として制裁決議を厳守し、「抜け道」を許さないことである。

 北朝鮮が誘発する大量破壊兵器の拡散は、世界共通の脅威だ。日本と米国、韓国は、国連などの外交舞台で決議の履行を呼びかける必要があろう。

 一方で、圧力だけでは北朝鮮を翻意させられないことも明らかだ。北朝鮮と直接向き合う日米韓は、彼らを対話に引き出す道筋も探らねばならない。

 ところがその3カ国の結束はいま、試練を迎えている。

 北朝鮮が最重視する米国は、次期トランプ政権がどんな政策をとるのか見通せない。韓国では、朴槿恵(パククネ)大統領が進退問題に直面する混乱に陥っている。

 北朝鮮は最近、核・ミサイル開発の動きを止めているが、米韓の動向を見極めるため、様子見を続けているのだろう。

 米韓ともに政権が代わる過渡期をねらって、北朝鮮が挑発を強める可能性もある。

 来年以降をむしろ、北朝鮮に対する新たなアプローチを編み出す好機に転換するには、日米韓が一致した行動をとれるよう丁寧に調整する作業が必要だ。

 連携を強めてこそ北朝鮮との対話を始める環境が整う。その現実を改めて確認したい。