主要7カ国首脳会議(G7、伊勢志摩サミット)が、三重県志摩市で開幕した。

 経済的にも、政治的にも、G7の役割が再び注目されるなかで、日本が議長国を務める。

 8年前の北海道洞爺湖サミットの直後、リーマン・ショックが発生。世界的な経済危機に先進国だけで対処できない状況があらわになり、世界経済をめぐる議論の主舞台は中国など新興国を含むG20に移った。

 だがいま、その新興国が停滞にあえぎ、世界経済の牽引(けんいん)役としてG7が期待されている。

 G20は主に経済を語る場であり、政治や安全保障の分野で共通項を見いだしにくい側面もある。国連安保理も、中国、ロシアを含む大国の拒否権で機能不全が言われて久しい。

 G7も近年、形骸化が指摘されてきた。経済の相互依存は深まり、G7だけでテロや核問題、環境など地球規模の課題に対応できないのも確かだ。

 それでも、法の支配、自由と民主主義、人権といった普遍の価値観を共有するG7首脳が一堂に会し、世界の課題を話し合う意味は大きい。

 難民排斥など共通の価値に反する動きはG7にも広がる。だが、力に限界はあっても、混迷する世界に方向性を示しうる枠組みは他に見当たらない。

 今回のサミットでその意義が問われる課題の一つが、「パナマ文書」で明らかになった、国境をまたぐ税逃れへの対応だ。

 その責任の多くは先進国にあると言わざるを得ない。租税回避地は欧米が作った蓄財システムであり、それが新興国や途上国の汚職や腐敗の浸透にも加担してきたからだ。

 こんな実態を野放しにしたまま、「法の支配」を唱えてもむなしい。G7は率先して対策への道筋を描くべきだ。

 米国の力が相対的に低下するなか、国際秩序を安定させる軸としてもG7の役割は大きい。

 2年前のウクライナ危機でロシアがG8から追放され、サミットはG7に戻った。中国は南シナ海で岩礁埋め立てや軍事拠点化の動きを止めない。

 力や威圧で国境を変えようとするこうした動きを、既成事実化させてはならない。

 日本も、G7と歩調をあわせて政策を構想していくのが望ましい。その基本は分断と排除ではなく、世界に共通利益の価値を広げていく粘り強い対話と協調であるべきだ。

 G7をそれに向けた知恵を絞る場とするために、議長国として合意形成の努力を尽くしてもらいたい。