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日本シリーズ第5戦
「ミスした方が負け。今さら言ってもしょうがない」。11年ぶりの大舞台で、11年前と同じく1勝4敗で敗れた中日の星野監督は、淡々と語り始めた。 本拠で3連敗。監督がもっとも嫌がる自軍のミスで、流れをダイエーに与えた。この日は、拙守が野口の足を引っ張った。大事な場面で飛び出す守りのミスは、最後まで響いた。 「投手も野手も元気がない」。2敗目を喫した26日、シリーズ出場経験豊かな山田投手コーチがいぶかった。試合前の練習でうつむく選手たちの硬さや暗さ、土壇場での失策は、独走したシーズンとは異質な緊張感に押しつぶされた心理の表れではなかったか。 打線では、関川の不振、山崎の欠場で、得点能力が激減した。代役は現れず、益田ら1軍経験の浅い選手を先発で使わざるをえない。野手層の薄さが露呈した。 水谷打撃コーチが「うちの選手は線が細いわ」と、もらしたことがある。球団は伝統的に、公式戦での促成栽培に頼るため、2軍で基礎体力をつくりにくいのだという。最初からレギュラーを超える成績を年間で挙げるのは難しい。 監督は、「この5試合で評価するのは酷だ」と、選手をかばった。しかし「相当に悔しいけどな」と本音ももらした。(宇野彰一) ◆ペナントが一番大事――中日・星野監督
あれだけ走者をためたところで、二つも(ミスを)やって、みんな生還させちゃったらいかんよな。エラーやミスがいっぱい出たけど、選手はシーズンの135試合を戦ってきたんだ。一番大事なのはペナントだ。シリーズにはこだわらんよ。もう来年が始まるんだ。まだ、目標に達していないのだからな。王さんとダイエーの選手におめでとう、と伝えてくれ。 福留 「最後はいやなことばっかりだけど勉強になった。守備のミスで調子に乗れず、経験不足というより技術不足です」 野口 先発の役目果たせず。「試合のことで言えることは何もありません。悔しいけどそれだけです。自分で二つ負けてますから。力不足です」 川上 敢闘選手賞。「シーズンが悪かったのでシリーズにかけた。優勝すれば喜べるが、来年は日本一になって最後は笑いたい」 立浪 「向こうは伸び伸びやっていた。こっちはミスがあって普段通りの力が出せなかった。シリーズは完敗です」 井上 3の0。3回には松中の飛球を捕れず。「どう考えても捕れた。目測を誤った。ヒットは出ないし、ボールに手を出すし、普通じゃなかった」 ◆星野監督は続投 中日の佐藤球団社長は「星野監督の続投は球団の既定方針。来季もリーグ連覇を果たして日本一に挑戦してほしい」と改めて来季の方針を述べた。
●《チェンジ》福留よ、またチャンスある
野球を始めて、最もつらい夜ではないだろうか。 3回、試合の流れを決定づけたのは福留の失策だった。第3戦でも三塁で失策。第4戦の守備でも、武田の足を引っぱった。 敗戦の責任を1人で背負い込むように、ルーキーが下を向いている。 12年前だった。西武が巨人を4勝2敗で破ったシリーズ。最終戦が終わった巨人のベンチ裏で、おいおいと声を上げて泣きくずれる選手がいた。川相だった。8回2死一塁。秋山の中前安打で、一塁走者の辻が一気に生還した。クロマティの緩慢な送球をついた辻の頭脳プレーだった。 切れ切れに川相が言った。「僕も気づかなかった。情けない」。バスに乗り込むまで、涙は止まらなかった。 その時、川相は23歳。リーグを代表する守備の名手に成長する彼の、第一歩だった。 「あれで、確かに僕は変わったと思います」。川相が数年してから振り返った。 福留の抱えた傷は、確かに深い。しかし、その痛みが、豊かな素質を持つルーキーを、間違いなく成長させる。(西村欣也)
<第3戦:ダイエー5−0中 日> <第2戦:中 日8−2ダイエー> <第1戦:ダイエー3−0中 日> |
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