■捕手の感覚を生かせ
開幕から2カ月半が過ぎた。セ、パとも、まだ抜け出したといえるチームはない。頑張っているな、と思えるのは広島だ。投手、野手ともギリギリのところで毎日の試合に臨んでいる。まだ、57試合。あのやり方でいつまで持つかと心配ではあるが、見る者に何かを感じさせる戦いぶりではある。
特にセは首位・中日から最下位・阪神まで4・5ゲーム差の中に6球団がひしめき合っている。キャンプ、オープン戦のころ本命とされていたチームが、モタモタしているのか、評価が低かったチームが隠れた持ち味を出しているのか。恐らくその両方だろう。
さて、このような状態からどうやって抜け出すのか。開幕からこれまでに蓄積したデータをもう一度見直してみることが大事になる。各チームとも監督、コーチを中心にいい材料、悪い材料を洗い出し、軌道修正をはかろうとしているだろう。そんな中で活用したいのは捕手が持っているデータだ。
50試合以上を消化して、捕手には彼らにしかわからないデータが蓄えられている。各チームの打者の調子、傾向。それぞれのケースにおける数字に表れない特徴は、捕手だけが感じ取っているデータだ。自チームの投手にとっても同じことが言える。相手打者とのアウトカウント別のデータや走者を背負った時、無走者の時のデータなど、数字に表れるものもある。しかし、その時の感覚は捕手だけが覚えている。数字と捕手の感覚を融合させることで、見えてくるものがあるはずだ。それを、吸い上げ、また戦いの場にフィードバックさせる。
捕手の感覚を生かすことができたチームが、混戦から抜け出す武器を手に入れることになる。
2000年6月13日
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