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常総学院が悲願の甲子園制覇
仙台育英の粘り、一歩及ばず

常総初優勝 決勝戦で仙台育英を破り初優勝した常総学院の選手たち


 第73回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)は4月4日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝戦が行われ、常総学院(茨城)が仙台育英(宮城)を7―6で破り、初優勝した。

 常総学院は87年夏と94年春に準優勝があるが、甲子園制覇は初めて。3人の投手を中心にした堅実な守り、機動力を備えたつながりのある打線に加え、ベテラン木内監督の指揮も冴え、見事に頂点まで勝ち上がった。仙台育英は、左腕芳賀の好投で2、3回戦での接戦を制し優勝に手が届くところまで進んだが、決勝戦では序盤にやや浮き足立って常総学院にリードを許し、終盤の追い上げもわずかに及ばなかった。

 大会を通じ、1点差試合が11試合と全試合の3分の1と好ゲームが相次ぎ、出場校の力に差のないことを示した。21世紀枠で出場した安積(福島)と宜野座(沖縄)の2校も他校にひけをとらない活躍をみせた。それどころか、宜野座は準決勝にまで勝ち進み、笑顔を絶やさないのびのびとしたプレーでファンを沸かせた。


常総学院、仙台育英の追撃振り切り1点差勝ち―決勝戦

決勝戦
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
常総学院
仙台育英

【常総学院】村上、村田、平沢、村田―上田【仙台育英】芳賀―近藤

 「集中はしていたけど、頭の中は真っ白になってしまいました」

 試合に敗れた後も涙はいっさいなく、笑顔を見せていた仙台育英の主戦芳賀も、前半の常総学院の「かく乱戦法」に動揺があったことを認めた。

 決勝戦まで勝ちあがった両チームの勝敗を分けたのは「優勝への執念」だったのではないか。木内監督は、相手をかき回す戦法に対して批判が出かねないことも承知しているかのように、試合後のインタビューで「この試合だけは勝負に固執させてください」とファンへの謝りともとれるような言葉を発した。常総学院が「勝ちにこだわる野球」で優勝をもぎとったとも言えよう。

 1回表、常総学院は失策で出塁した先頭打者を二番が送り、三番上田が三塁強襲の内野安打。1死一、三塁にして、四番小林がセーフティースクイズを決めるまで、仙台育英の芳賀が投じたボールはわずか5球。相手に考えるすきを与えない、積極的でスピーディーな常総学院の攻めが仙台育英のリズムを狂わせる。

 3回表に挙げた3点のうちの1点目はスクイズだし、5回表にも七番三浦の適時二塁打の後にセーフティースクイズ、これが見事に決まる。9回には犠飛で大きな1点をもぎとり、結果的に勝利に結びついた。

 常総学院の奇襲に揺さぶり続けられた仙台育英だが、こつこつと点を返し中盤以降は流れを引き寄せていた。9回表に1点追加され、最終回の攻撃を3点差で迎える。先頭の金沢が三塁ベース直撃の二塁打で出塁し、次打者が二ゴロに倒れる間に三進。三番佐藤琢がつまりながらも中前に運んで2点差に。1死二塁から、この日3安打の四番菊池に打順が回る。が、肩に力の入っていた菊池は三ゴロに倒れた。2死となり万事窮すと思われたが、続く村山が1点差に詰め寄る中前適時打。最後の最後まで勝敗の行方はわからない。決勝戦にふさわしい好ゲームだった。

 常総学院は、この日入れ替えた打順が見事に的中したり、バントでの揺さぶりなど木内采配が的中した形だが、監督の意図を忠実に実現する鍛えぬかれた選手の力をこそ賞賛したい。大会5試合での本塁打は0。コンパクトに振りぬくスイングや、野手の間を抜くセーフティーバントなどは練習で徹底的に鍛えていなければ大舞台での成功はない。スター選手は1人もおらず、村上、平沢、村田の3人の投手をバックが堅守で盛り立て、初めて紫紺の優勝旗を手中にした。

 




◆大会第10日(3日)の結果◆

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