中盤までの息詰まる投手戦は、あまりにも意外な形で勝敗を分けた。
智弁学園の先発秦は130キロ台後半のストレートを内角に決めて、前評判通りの投球。再三のピンチも際どくしのぐ。一方、桐光学園の猪原も躍動感溢れるフォームから外角に大きなスライダーを投げて、6回まで智弁打線を内野安打1本、三塁を踏ませない好投。
勝敗を決したのは7回。桐光が1死一、三塁と攻め立てると、智弁バッテリーは強打の三番石井を敬遠して満塁にする大胆な作戦に出た。取られるなら1点も2点も同じ、と見切った決断である。
だがここで、秦投手を支えてきた内角速球が裏切った。なんと満塁で四番黒木に死球を与え、押し出しの先制点を与えてしまう。しかも続く五番藤崎にも死球。予想もしない形で2点を献上しては、秦投手が緊張感を保ちつづけるのは難しかった。
桐光学園は初出場ながら、三番石井、四番黒木、五番藤崎の中軸が鋭い打撃を見せている。今大会の台風の目となりそうだ。