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34校決まる 21世紀枠に安積・宜野座
3月25日から11日間、阪神甲子園球場で行われる第73回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)の選考委員会が31日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社で開かれ、一般枠の32校と、今大会から導入が決まった21世紀枠2校の計34校、補欠13校(21世紀枠を含む)が選ばれた。
逆境を克服したり、他校の模範となるようなチームを対象とした21世紀枠では、候補9校の中から安積(福島)、宜野座(沖縄)の2校が選ばれた。安積は文武両道の伝統校、宜野座は過疎地での健闘が評価された。
21世紀枠を含めて今大会の初出場は10校。鳥栖(佐賀)以外の9校はいずれも春夏通じて初の甲子園となり、21世紀の幕開けにふさわしいフレッシュな顔ぶれとなった。
一方、桜美林(東京)と岐阜第一が18年ぶりの出場。春夏連続出場は3季連続の鳥羽(京都)など4校だった。茨城県からは常総学院、水戸商、藤代の3校が選ばれた。同じ府県からの3校出場は、阪神大震災直後の第67回大会(1995年)で兵庫県から3校選ばれて以来。茨城県からは初。
組み合わせ抽選会は3月15日に行われる。
◇秋季の成績を評価 21世紀枠、伝統校に重き
例年以上に、秋季大会での戦いぶりを評価した選考だった。年々、秋季大会での成績が選考で大きな比重を占めてきている中で、球児の残した戦績が正当に評価されたともいえる。
最も注目されたのが関東大会4強に3校が残り、その3校が選ばれた茨城勢だった。優勝の常総学院、準優勝・水戸商は文句なし。次いで4強の1つ市川、選手個々の能力が評価された桐光学園が選ばれた。残り1枠を藤代と、宇都宮工、浦和実で競ったが、藤代は地域性を加味しても戦力が抜きんでているとされた。
東北、中国の上位2校と九州の佐賀勢も他チームとの比較のうえで、総合力が上回るとされた。近畿では地区大会4強の選抜がすんなり決まった後、大阪桐蔭が姫路工などと戦力を比較された。
その結果、大阪桐蔭の潜在能力は高く評価されたが、他県チームとの戦力差がないとされた。
一方、今大会から設けられた「21世紀枠」。9地区の候補校のうち「文武両道」「進学校」をうたったのが5校。加えて帯広南商(北海道)が他チームへの模範となる枠でくくられた。結局、勉強と部活を「長年にわたり両立」したとして安積と春夏35回甲子園に出ている桐蔭(和歌山)が残り、甲子園出場が一度もない安積が選ばれた。ともに前身は旧制中学だ。
過疎化や自然災害など困難を克服した学校として最後まで競ったのが宜野座と、昨秋、鳥取県西部地震に見舞われた境港工。ここでも「過疎の小規模校ながら九州地区レベルまで実力をつけた」宜野座が選ばれた。
候補校9校はいずれも甲乙つけがたい。21世紀枠を選ぶために新たに構成された特別委員たちは、選考の大きな要素として「何十年も下積みをしている学校に日の目を当てたい」「地道な活動を積み重ねることがポイント」を理由に挙げた。
「新設校に不利はない」としながらも今回の選考は伝統校に重きがおかれたようだ。
●安積
安積は初めてつかんだ甲子園。1世紀以上も先輩たちが果たせなかった夢を実現し、選手たちは喜びに沸いた。本田主将は「うれしい。いい伝統を築いてくれた先輩への感謝の気持ちでいっぱい」と話した。
郡山市内にある安積は学校創立117年の県立高校。部創立111年で、県内屈指の進学校として知られる。部員は野球と勉学を両立させてきた。
短い練習に集中して取り組み、「考える野球」がモットーだ。選手権大会が「1県1校」になる前の福島大会で2度優勝、昨春の県大会でも優勝するなど、甲子園に「あと一歩」まで迫りながら涙をのんできた。
●宜野座
沖縄本島のちょうど真ん中。昨年、サミット(主要国首脳会議)が開かれた名護市の南隣に当たる宜野座村。中心部にある宜野座高校のグラウンドであった報告会には生徒の大半がなだれ込んで、部員と抱き合って大はしゃぎした。
安富勇人主将は「自分たちの野球が評価され、とにかくうれしい」。奥浜正監督(40)は「いったんはあきらめ、夏へ再起をかけていただけにありがたい。好機をバントなどでものにする、うちの野球をしたい」と抱負を話した。
村は人口約5000人。部員38人は同村を中心に全員が地元出身者だ。「地域の支えが大きい」(奥浜監督)というだけに、グラウンドには近所の住民が多数顔を見せ、出場を祝福していた。
○念願かない胴上げ次々 桐光学園
川崎市にある桐光学園は1978年の創部以来念願の甲子園初出場が決まり、グラウンドに集まった選手たちが次々に胴上げをして喜びを分かち合った。
「周りから『出られるよ』と言われていたけれど、正式に決まるまでは不安でした」と天野喜英主将。野呂雅之監督(39)は「新世紀最初の公式戦を甲子園で戦えるのは本当にうれしい」と喜びをかみしめていた。
○くす玉割り初出場祝う 藤代
茨城からは常総学院、水戸商、藤代の3校が選ばれた。いずれも昨秋の関東大会で4強入りを果たしたが、1県からの3校出場はまれなことから、準決勝で敗れた藤代の出場は微妙との見方もあった。
それだけに、春夏を通じて初の甲子園出場を決めた藤代の選手たちは連絡を受けた瞬間、喜びを爆発させた。地元藤代町の商工会がJR駅前で開いた祝賀セレモニーにも参加、詰めかけた町民らとくす玉を割って初出場を祝った。
◆出場34校の横顔
(戦績は練習試合を含む、打率は公式戦。校名が< >内の2校は「21世紀枠」)
校名
出場回数 戦績と打率
特徴
<安積>(あさか)(福島)
初出場 21勝6敗1分 ・359
創部は県内最古の1890年。昨秋の県大会ベスト8。
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<宜野座>(ぎのざ)(沖縄)
初出場 20勝5敗 ・361
部員全員が通学区内の中学出身。昨秋の九州大会ベスト8。
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東海大四(北海道)
12年ぶり5回目 32勝15敗2分 ・403
奈良、前田と完投能力のある2投手を擁する。確実な攻撃が身上。
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東北(宮城)
2年ぶり15回目 31勝5敗 ・314
主戦・高井はスライダーのキレが抜群。つなぐ攻撃で得点。
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仙台育英(宮城)
3年ぶり8回目 25勝6敗 ・347
芳賀、菊池の2投手を中心に、13試合で8失策の堅守を誇る。
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常総学院(茨城)
3年ぶり5回目 34勝4敗2分 ・353
内野の守備は堅実。投打のバランスも良く、神宮大会四強入り。
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水戸商(茨城)
2年ぶり3回目 31勝6敗 ・326
四番田中の破壊力は抜群。田中、長峰の両左腕は防御率1点台。
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藤代(茨城)
初出場 31勝5敗2分 ・281
対戦相手により、タイプの違う完投能力のある4投手を起用。
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桐光学園(神奈川)
初出場 29勝5敗 ・385
石井、岡田、藤崎でチーム全本塁打9本をたたき出す。
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市川(山梨)
2年ぶり3回目 52勝12敗2分 ・297
犠打で進塁し、確実に得点を重ねる。センターラインは強力。
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日大三(東京)
2年ぶり15回目 28勝4敗 ・409
三番内田、四番原島を軸に機動力を絡めた打線は切れ目ない。
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桜美林(東京)
18年ぶり6回目 28勝11敗 ・356
右腕高橋明は低めへの制球が抜群。打線はつながりで勝負。
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金沢(石川)
7年ぶり7回目 24勝3敗3分 ・310
中林、坂井と左右の二本柱が安定。俊足がそろい攻撃に幅がある。
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福井商(福井)
2年ぶり15回目 19勝1敗 ・378
センターラインを中心に堅守を誇る。中軸までで確実に得点。
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東邦(愛知)
2年ぶり24回目 23勝5敗4分 ・322
一番岩間は地区大会で5本塁打。中軸も長打力がある。
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岐阜第一(岐阜)
18年ぶり4回目 28勝2敗 ・309
得点力アップのための犠打と、スローイングを重視した野球。
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四日市工(三重)
2年連続3回目 29勝14敗2分 ・343
右横手投げの安田は内外角の制球力で勝負する。
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鳥羽(京都)
2年連続3回目 23勝2敗1分 ・314
昨夏の甲子園経験者が五人。里井が軸の強力打線。
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関西創価(大阪)
初出場 20勝3敗1分 ・308
球速140キロを超える本格派右腕野間口は安定度が抜群。
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浪速(大阪)
10年ぶり2回目 24勝8敗 ・337
右の岸本、左の梶原が投手の柱。機動力を絡めた攻めが光る。
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神戸国際大付(兵庫)
初出場 27勝3敗1分 ・353
右腕坂口を柱に、春夏通じて初出場。積極的な打撃が身上。
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姫路工(兵庫)
5年ぶり3回目 16勝7敗4分 ・284
四番を打つ右腕真田が投打の柱。島津、藤沢らが打線をつなぐ。
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智弁学園(奈良)
8年ぶり7回目 18勝3敗 ・291
安定感抜群の右腕秦を中心に守りは堅い。切れ目ない攻撃は多彩。
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南部(みなべ)(和歌山)
8年ぶり4回目 20勝5敗 ・340
寛座、下川が打線の軸。遊撃手作野を中心に守備も安定。
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岡山学芸館(岡山)
初出場 39勝11敗 ・356
若竹を筆頭に切れ目ない打線で14試合で118得点。守備も堅い。
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関西(かんぜい)(岡山)
6年ぶり5回目 36勝4敗1分 ・427
制球の良い左腕宮本、重谷への、河本のリードが見もの。
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広陵(広島)
2年連続17回目 21勝6敗2分 ・336
末木、黒田、新井を軸に粘り強い打線。右腕金子は技巧派。
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尽誠学園(香川)
7年ぶり5回目 44勝8敗1分 ・328
両打ち含め左打ちが六人並ぶ強力打線。和田−中村の継投が確立。
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小松島(徳島)
初出場 22勝16敗1分 ・207
頭脳的な投球を見せる右横手の堀渕を中心に粘りの野球。
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高知(高知)
6年ぶり13回目 19勝16敗4分 ・326
最速140キロの右腕福山、甲藤を擁す。捕手の安定感目指す。
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東福岡(福岡)
3年ぶり2回目 31勝5敗 ・352
神宮大会優勝。本格派右腕下野と本塁打7本の吉村が投打の軸。
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神埼(かんざき)(佐賀)
初出場 31勝14敗4分 ・310
黒田、納富とも完投能力あり。バントを多用し、抜け目ない攻め。
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鳥栖(佐賀)
初出場 32勝10敗2分 ・223
佐藤吉、西村ら主軸は得点能力高い。右腕宮崎は速球主体。
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海星(長崎)
14年ぶり4回目 20勝6敗 ・332
松永、楠本の両左腕を擁する。中堅返しの打撃でつなぎに徹する。
<補欠校>北海道 札幌商▽東北 光星学院(青森)▽関東 宇都宮工(栃木)浦和実(埼玉)▽東京 東亜学園▽東海 中京大中京(愛知)▽北信越 佐久長聖(長野)▽近畿 大阪桐蔭(大阪)近江(滋賀)▽中国 淞南学園(島根)▽四国 鳴門第一(徳島)▽九州 日南学園(宮崎)▽21世紀枠 境港工(中国・鳥取)
<2001年2月1日朝日新聞朝刊より>
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