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野球部員はみな「村の子供」
春の話題校−沖縄・宜野座

 21世紀枠の「困難校」としてつかんだ初出場だが、宜野座の選手たちはきっと、困難を感じたことはないだろう。そう思わされるほど彼らを取り巻く環境は温かい。

 沖縄県北部に位置する宜野座村。人口約5000人の村民にとって、野球部の選手はみな「村の子供」だ。

 「ベンチからは相手の応援席しか見えないじゃないですか。『スカスカだなあ』なんて思って、一歩ベンチから出て上を見上げると、もうこちらの応援席はいっぱいなんです」。奥浜監督は誇らしげに話す。

 グラウンドはサッカー部やラグビー部と共用。フリー打撃もままならず、今年1月には村の有志の力添えで2つのバッティングケージが新設された。お返しにと、体力づくりを兼ねて選手たちはサトウキビの収穫を手伝う。

 「特別扱いは好きじゃない」。主将の安富は口をとがらせた。

 地域への感謝は忘れていないが、実力以外の部分を評価されての出場にはわだかまりもある。「だから絶対に1つは勝って、実力だってあるんだと証明したい」

 少子化で定員割れが続いていたが、今年の受験者は約40人増え、160人の定員を2人超えた。「甲子園効果」は早くも表れている。村議会も議会の日程を変更し、村あげて応援にかけつけることを検討中だ。

 「一極集中と戦う仲間に勇気を与えたい」と奥浜監督。甲子園は、強豪校に選手が集まり、都会に人が流れる「現実」に挑む場でもある。(藤田淳)

<2001年3月8日朝日新聞より>


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