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好投手、好打者、好チームそろう
大会を展望する
好素材の投手や野手を擁したり、総合力のあるチームが集った。一方で今大会から新設された21世紀枠で出場する安積(福島)、宜野座(沖縄)を含めて初出場は10校。さまざまな顔ぶれがあふれる中、25日に大会が始まる。
《好投手》 左右ともに素材の高い投手がそろった。右腕ではまず野間口(関西創価)。140キロを超える速球に、フォークとスライダーを持つ。特にフォークには落差があり、一冬を越え球にも重さが加わった。硬軟のコンビネーションがうまく行けば、容易には打ち崩せそうにない。
下野(東福岡)は今大会出場投手数で最多の166回余りを投げてきた。スタミナは十分で、昨秋の神宮大会優勝時よりも直球のスピード、キレも増している。秦(智弁学園)は体の柔らかさを十分に生かしたしなるような投球フォームが魅力。低めの制球に加え、この冬で高めへの誘い球も取得し、より安定感を増した。和田(尽誠学園)はタテに曲がるスライダーを主体にした組み立てで、打者の打ち気をそらす投球術を持つ。
左腕は高井(東北)が筆頭格。最速145キロの速球に、スライダーにもキレがある。球種もシュート、シンカー、スクリューなど多様だ。同じく宮城の芳賀(仙台育英)は縦に曲がるカーブが鋭い。昨夏の甲子園も経験しており、精神面の強化が好材料だ。
中林(金沢)は身長184センチの上手から投げおろす直球にかなりの角度があり、初対決の打者は打ちあぐみそうだ。一方で古田(鳥羽)は身長171センチだが、低めへの制球が抜群。また打者の手元で鋭く曲がるカーブに、昨秋の近畿大会後にシュートを身につけ投球の幅を広げた。
《好打者》新2年生ながら右打ちの吉村(東福岡)のパワーには目を見張る。甲子園練習でも左翼席中段に打ち込んだり、軽くバットを合わせただけで左中間を破る打球を披露した。力では同じく新2年生菊池(仙台育英)も負けてはいない。中堅返しに徹した打撃で、長打を生み出す。
一番打者では岩間(東邦)、左右打ちの坂口(尽誠学園)のうまさが目立つ。高校通算8本塁打の岩間だが、昨秋の東海大会で5本を放つなど打球を飛ばす力を備えてきた。坂口は昨夏に左打ちを習得した。振りの鋭い打撃で長打力もある。チーム事情で一番から四番に移った野呂(東海大四)も左右に打ち分ける技術を持っている。
6割5分7厘と出場選手中最高打率を持つ河本(関西)だが、今年初旬に腰を痛め、思うようにバットを振り切れていない。内田(日大三)、石井(桐光学園)もやや力みが感じられるが、スタンドに打ち込むだけの力は十分ある。
《総合力》 Aゾーンでは、東福岡(福岡)の打撃が出場校の中でも群を抜く。各打者とも中堅返しを徹底し開きがなく打球もライナー性で鋭い。投手が下野1人という不安はあるが守備も堅く優勝候補の最右翼と見る。ただし東福岡は勝ち進んでも攻撃力がある日大三(東京)、試合運びのうまい常総学院(茨城)、二人の好投手がいる金沢(石川)など強豪との対戦は免れない。
Bゾーンでは鳥羽(京都)が機動力に磨きをかけてきた。ただ大会前に主戦古田が発熱したのが不安材料。昨秋の神宮大会準優勝校の尽誠学園(香川)もチーム全体のまとまりがある。大会屈指の好投手対決になった東北(宮城)―関西創価(大阪)の勝者を加えた展開になりそうだ。
Cゾーンでは芳賀を中心とした堅守に打線にも力がある仙台育英(宮城)が有力。続いて安定感のある主戦笠井がいる市川(山梨)が追う形か。高知は主戦の一人、福山が左足首の骨折で出遅れたのが痛い。梅山を中心に打撃力をつけ守りの安定度も増した四日市工(三重)だが、大会直前に主将で四番の中村が腰痛を起こした影響がどう出るか。
Dゾーンは守りの智弁学園(奈良)―打の桐光学園(神奈川)の勝者を中心に展開しそうだ。小松島(徳島)―神埼(佐賀)はともに軟投派投手を中心にした守りのチーム。ミスをなくして競り上がりたいところ。21世紀枠出場の宜野座(沖縄)だが、主戦の仲間が故障から復帰した。下手から繰り出す球は打ちづらそう。守備や走塁にもスピードがあり侮れない存在だ。(荒川公治)
<2001年3月25日朝日新聞より>
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