最強「点取り屋」探せ
2002年W杯の救世主は?
サッカーの日本代表に付きまとう形容詞が「決定力不足」。きらめく中盤の人材に比べて、FWは少々肩身が狭い。2002年ワールドカップ(W杯)まであと2年余。頼れるストライカーは現れるのか?
速くて、高くて、シュートがうまい。究極のストライカー像に、日本人選手を当てはめると――。
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「速さ」 単純なスピードなら岡野雅行(浦和)。ただ、ドリブル、フェイントの技術はお世辞にもうまくない。ゴール前に飛びこむ勢いなら中山雅史(磐田)か。ドリブルなどの球さばきを加えれば、柳沢敦(鹿島)、高原直泰(磐田)ら五輪世代が「旧世代」より俊敏だ。
「高さ」 昨秋の五輪予選で価値あるヘディングゴールを決めた184センチの平瀬智行(鹿島)。スペインに渡った179センチの城彰二も、シュートは足より頭が力強い。
「シュート力」 久保竜彦(広島)の左足は強烈だが、まだ未知数。安定感なら中田英寿(ローマ)だろう。トルシエ監督が五輪予選でFWを試したように、高い確率でゴールの枠をとらえる。
「勝負強さ」も、なくてはならない要素だ。
かつて、日本が世界に誇ったストライカーに釜本邦茂がいた。1968年メキシコ五輪で7点を決めて得点王に輝き、日本サッカー界の金字塔である銅メダルをもたらした。
Jリーグになってからは、カズこと三浦知良(京都)。アジアカップ、W杯米国大会予選など、大一番で必ずゴールを決めた。残念ながら、全盛期のカズ以降、日本に頼れるストライカーは現れていない。
城はどうか? フランスW杯出場を決めたイラン戦の同点ヘディングシュートはすごかったが、それ以降は影が薄い。
柳沢は? 五輪代表の柱と期待されながら、大会直前のけが、規律違反で離脱など不運がつきまとう。
久保や西沢明訓(セ大阪)らは「大器」と呼ばれて久しいが、闘争心むきだしで進化をつづける32歳の中山を追い越せない。
「性格」も重要だ。
フランスW杯得点王のシュケル(クロアチア)は試合中、休んでいる時間帯も多いが、決めるべきときは絶対に決める得意の型があった。鼻っ柱も相当強い。米国W杯の得点王、元柏のストイチコフ(ブルガリア)も強烈な左足が武器で、自己主張もすごかった。
日本史上最高のFWといわれる釜本も強気な性格で、絶対の型を持つ天性のストライカーだろう。
京都・山城高時代の監督である森貞男氏(68)によると「入学時から、ものおじしない性格だった。伝説といわれる右45度から左サイドネットに突き刺さるシュートは、高校時代にほぼ完成していた」と述懐する。
では、2002年は?
周囲に惑わされず、マイペースを貫く強さ。セリエAで研ぎ澄まされるシュート力。勝負強さ――。たどり着く結論は、やはり「ヒデ」、か。(稲垣康介)
2000年4月5日付夕刊
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