ジャイアント馬場さんが死去

ジャイアント馬場さん

  日本のプロレス界を長く支えてきたジャイアント馬場(本名・馬場正平=ばば・しょうへい)さんが1月31日午後4時4分、肝不全のため、東京都新宿区の病院で死去した。61歳だった。葬儀・告別式の日取りは未定。

 馬場さんは新潟県出身。プロ野球の巨人に投手として入団したが、けがなどで引退した。1960年、力道山に認められてプロレス界に転じた。209センチ、140キロの巨体を利した「16文キック」などの技で人気を集めた。

 力道山の死後、「全日本プロ・レスリング」を設立、社長を務めながらリングに立った。昨年12月5日の日本武道館での試合を最後に体調を崩し、同月7日に都内の病院に入院した。

リング上の馬場さん

◆興行に非凡な才覚

 プロレスのジャイアント馬場さんが1月31日、肝不全のため、亡くなった。16文キック、脳天唐竹割り、ヤシの実割り……。209センチの巨体から繰り出す多彩な技とユーモラスな口調は、茶の間のファンに広く愛された。読書家としても知られ、興行の運営者としては非凡な才覚も見せた。還暦を過ぎてもリングに立った馬場さんは、最後の試合の2日後、体調を崩して入院し、帰らなかった。

 「プロレスから離れるのは、おれが死ぬときだろうね」

 馬場さんは昨年3月、朝日新聞記者のインタビューに答えて、そう語った。

 言葉通り、還暦を超えた現役プロレスラーとして生涯を終えた。晩年も全国を巡業して歩き、年間に約130試合をこなした。自宅地下につくったジムでトレーニングを続けていた。

 1960年、力道山の主宰する日本プロレスに入った。アントニオ猪木さんと、同時期の入門だった。

 タレント活動や政界進出をするレスラーが目立つ中で、マットにこだわり続けた。

 バブル時代、所属選手たちに集団脱退されたことがあった。残った選手に「自分たちにはファンがスポンサーだ」と言い、ファンのアンケートをしたり、会場の柱の陰に社員を立たせて観客の声を集めさせたりした。

 晩年は「ベルトに挑戦するようなことはとっくに引退した」と言い、メーンイベントの前に行われる前座の試合に出続けた。試合の前後に売店に立って、プロレスグッズを売ることもあった。

 マットを離れると、物静かだった。読書家で知られ、油絵も玄人はだしだった。巡業先では試合のあとホテルに引きこもった。

 「目立つのかな。外に出ると酔っぱらいがからんでくる。だから繁華街のことは何も知らない」と、話していた。

◆長身・足腰、プロレスで開花

 ジャイアント馬場さんが31日に亡くなっていた。プロ野球選手から転身、プロレスラーとして成功するという珍しい人生だった。

 馬場さんは1938年、新潟・三条市で生まれた。10歳ごろから家業の青果商を手伝った。野菜を積んだリヤカーを引いて往復10キロの朝市へ通い、その後登校したという。小学校高学年になると、大人の草野球チームでエースで四番をつとめた。

 中学で野球部に入り、三条実業高(現三条商高)に進学。甲子園出場はならなかったが、2年の練習試合で制球のよさを生かして17三振を奪ったのを巨人のスカウトに認められ、2年で高校を中退して巨人に入団した。

 5年間巨人に在籍。2軍では好投しながら、1軍の成績は3試合に登板して1敗。7回3奪三振の数字しか残っていない。2メートルを超える身長からコーチに「プロの投手に適さない」という先入観をもたれ、1軍で登板する機会を、ほとんど与えられなかった。入団3年目に脳下垂体が視神経を圧迫する病に侵され、視力が突然落ちて開頭手術を受けたのも、影響した。

 59年オフ、巨人を解雇された。「入団の時は学校を挙げて祝ってもらった。クビになりました、と帰るわけにはいかなかった」。馬場さんは当時を振り返って話したことがある。

 大洋(現横浜)のテストを受けて合格するが、翌春のキャンプ中、ふろ場で転倒。腕に大ケガをして、投手生命を絶たれた。

 野球で鍛えた足腰を生かして、プロレスの力道山に入門したのは、60年の4月。並外れた身長が生きて、新しい運命が開けた。

1967年、インターナショナルヘビ−級選手権でブル−ノ・サンマルチノと対戦する馬場さん 巨人時代の馬場さん。のちにケガで引退しプロレスラーに転身した

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