 |
35議席を獲得し、笑顔で握手をする民主党の川端達夫幹事長(右)と海江田万里都連会長=4日午前0時40分、東京・永田町で |
次の衆院選に向けた「中間選挙」とされた東京都議選で、民主党が目標議席を超える35議席を獲得した。4月の二つの衆院補選で2敗した岡田代表にとっては、政権交代をめざす党の「顔」として面目を保った形だ。一方、自民党は目標の50議席に届かなかった。郵政民営化法案など直近の課題への影響はさほどなさそうだが、衆院選で民主党に競り勝つために「地力」の回復という課題が片づいていないことが浮き彫りになった。
自民党に勝利した昨夏の参院選に続く「躍進」を狙った民主党は当初、40議席を目標に掲げた。途中から30議席に下方修正したとはいえ、目標をクリアしたことで、「政権交代に向けて、大きなステップを踏むことができた」(川端達夫幹事長)と成果を強調。「岡田代表では次の衆院選は戦えない」といった党内の批判も収まりそうだ。
ただ、小泉首相の靖国神社参拝問題などアジア外交や、「サラリーマン増税」問題など、国政上の課題で政権批判の攻め口は多かったが、無党派層を大量動員するところまでは至らなかった。昨夏の参院選での年金批判のような、潜在的な政権批判票を掘り起こせるかどうか、課題はなお残る。
一方、自民党にとって今回の都議選は、4年前の小泉首相のような風を起こせる「選挙の顔」の存在や、公明党からの推薦決定はあっても国政選挙のような本格的な支援が望めないなかで、「守り」の選挙だった。
業界団体などの旧来の支援団体の組織力や日頃の候補者の運動量などの「地力」が試される選挙だったが、無党派層獲得が焦点となる都市型選挙の集票力という従来の課題に明確な答えは出せなかった。本来なら有利に働くはずの低投票率の選挙で議席を後退させたことで、選挙戦の立て直しが急務となる。
前回の首相に代わる形で遊説の前面に出た安倍晋三幹事長代理の「選挙の顔」としての効果にも疑問符が残ったとも言える。今後、選挙戦での公明党への依存度がさらに増すことも予想される。
ただ、こうした状況でも目標議席に何とか迫ったことで、小泉首相は3日夜、武部勤幹事長に電話し「厳しい中、よくここまで頑張った。立派な結果だ」との評価を示した。首相は公明党の神崎代表にも電話して、郵政民営化法案の採決について「よい流れになる」と語った。
公明党の全員当選は、自民党執行部を押し切って郵政法案の衆院採決を投票後に先送りしたことも功を奏した形だ。神崎代表は「完勝できてうれしい。全員当選は次期国政選挙に向けた弾みとなる」と述べた。一部で懸念されていた自民党との協調路線を進める執行部への批判が表面化することはなさそうだ。
共産党は前回の15議席を下回ったが、志位委員長は記者会見で「13議席には重要な意味がある。今後の前進の足がかりとなる」と強調した。