【中村真理、岡戸佑樹】日本維新の会の橋下徹共同代表が16日、初めて東京都議選の応援演説に入った。旧日本軍の慰安婦をめぐる発言で「厳しい戦い」という候補者が多いなか、「改革」を前面に打ち出した橋下氏。参院選も意識したテコ入れで風向きは変わるのか。各党も日曜日の街頭で訴えを繰り広げた。
「自民党が一人勝ちすれば絶対に緊張感がなくなる。改革を徹底的に行う政党に力を与えて下さい」。東京・多摩市の駅前で橋下氏が訴えると、約500人が耳を傾けた。
慰安婦をめぐる発言についても言及した。「誤解を生んで報道された。慰安婦を利用していたことは悪い。我々は反省しなければいけないが、世界でホロコーストと同じように位置づけられているのは違う」
橋下氏はこの日、都内7カ所を回った。当初は都議選への関心が低かった橋下氏。都総支部幹部が応援を頼むと、「東京は(前都知事の)石原(慎太郎共同代表)さんがやってくださいよ」と言われた。だが、慰安婦発言で、みんなの党が選挙協力を解消。「このままでは都議選でゼロ。参院選も負けるぞ」。石原氏が党の会議で発言し、力を入れることになった。
「安倍さん(首相)に負けないくらいやります。厳しいのは理解しています」。都議選告示の直前、都総支部幹部に橋下氏から、そういう趣旨のメールが届いたという。
「民主党が息を吹き返したのが痛い」。ある候補者は慰安婦発言を批判するが、橋下氏と一緒に街頭演説をした後、「動員力があり、援護射撃になる」と歓迎した。別の候補者も「改革の実績を評価する人は多く、追い風になる」。ただ、後援組織のない候補者が多く、橋下氏の知名度頼りの面もある。
聴衆の反応は様々だ。板橋区の会社員男性(50)は「批判される部分を認めた上で自分の主張を訴え、信念を感じた」。足立区の主婦(64)は「感情的で政治家として危うさを感じる。生活をよくしてくれるか疑問」と述べた。
16日は主要政党の幹部が各地で演説を繰り広げた。自民党の下村博文文部科学相は「安倍内閣は経済再生で日本をよみがえらせる」、公明党の山口那津男代表は「国民目線に立った公明が皆さんの声を受け止める」と訴えた。
民主党の海江田万里代表は「雇用、憲法が心配。自民党だけに政治を任せるのは危ない」、みんなの党の渡辺喜美代表は「オール与党体制の都議会に風穴を開ける」、共産党の志位和夫委員長は「憲法を守り、脱原発を進める」と呼び掛けた。
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朝日新聞官邸クラブ