野田佳彦首相(民主党代表)は27日、党本部で記者会見し、総選挙のマニフェストを発表した。「2030年代に原発稼働ゼロ」を明記し、原発維持方針の自民党との差別化を打ち出した。一方、09年総選挙マニフェストで掲げた政策の多くが実現できなかった反省から、数値目標を大幅に削り、工程表や財源も示さなかった。民主党が主導してきた「マニフェスト選挙」は形骸化しそうだ。
民主党は東京電力福島第一原発の事故後、最初となる今回の総選挙で「原発ゼロ」を争点にしたい考え。原発の40年運転制限を厳格に適用▽原子力規制委員会の安全確認を得た原発のみ再稼働▽新増設は行わない――との3原則を掲げた。使用済み核燃料サイクル事業については「あり方を見直す」と記した。
一方、首相が争点化を目指した環太平洋経済連携協定(TPP)は、日中韓FTA(自由貿易協定)などと「同時並行的に進め、政府が判断する」との表現にとどめた。慎重派に配慮して、従来の政権の方針から踏み込まなかった。