政府は10日、基礎年金への税金投入割合を2分の1に維持するための「年金交付国債」発行を盛り込んだ国民年金法改正案を閣議決定し、国会に提出した。過去の物価下落時に特例で据え置いた年金額を10月から段階的に引き下げる措置も、この法案に入れた。ただ、野党側は対決姿勢を強めており、今国会で争点になりそうだ。
年金交付国債は、政府が将来の返済を約束する約束手形のようなもの。返済の財源として消費税の増税分を当て込み、増税実施までの間は、年金積立金から年約2.6兆円を実質的に取り崩してまかなう。会計処理上は積立金が減らない扱いになるものの、増税できなければ返済計画も宙に浮き、実態としては積立金が目減りすることになる。
野田政権が複雑な手法をとったのは、通常の国債発行額を抑える方針を守るためだ。しかし、野党は「粉飾的」「その場しのぎ」などと批判し、法案成立の見通しは立っていない。