野田政権が進める「税と社会保障の一体改革」で、消費増税に伴う低所得者対策の柱となる年金上積みなど、年金改革の大枠が固まった。年収850万円以上の人の基礎年金減額や、遺族年金を残された妻に加え、夫にも支給する見直しも盛り込む。厚生労働省は3月にも関連法案を国会に提出する方針だ。
民主党は、働き方などで異なる年金制度の一元化や「最低保障年金」の創設も公約するが、今回まとまったのは現行制度の改善策。民主党の作業チームがまとめた案をもとに、厚労省が14日の社会保障審議会年金部会で具体策を示した。ただ、急ごしらえの案に委員からは慎重論が相次いだ。野党の反対も予想され、国会審議の行方は不透明だ。
低所得者の年金上積みでは、厚労省は当初、単身で年収65万円未満の人に一律1万6千円を上乗せする案を検討したが、「意図的に保険料を納めない人が得する」との指摘があった。
このため今回の案では、一律の加算を6千円にとどめた上で、収入が少なく保険料を納められなかった人に限り、保険料の免除期間に応じて最大約1万700円を上乗せする。対象は、世帯全員の市町村民税が非課税で、かつ、年金収入を含む所得額が老齢基礎年金の満額(年約77万円)より少ない人。500万人程度と見込まれる。