現在位置:asahi.com>政治>国政> 記事

「人権問題で対話と協力」盛り込む 日中合意文書

2008年05月08日12時19分

 日中両政府は8日、福田首相と胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席との7日の首脳会談で合意した内容について、「日中両政府の交流と協力の強化に関する共同プレス発表」として公表した。両首脳が7日署名した共同声明では触れられなかった人権分野での協力など70項目が盛り込まれた。

写真

首相経験者との朝食会であいさつする中国の胡錦濤国家主席(中央)=8日朝、東京都港区のホテル、代表撮影

 人権について発表文は「双方は人権問題について対話を行い、国際人権分野における対話と協力を進めることで一致した」としている。チベット問題が念頭にあると見られる。具体的には、00年1月から中断していた両外交当局の局長級の「日中人権対話」を再開する方針だ。

 このほか、海上自衛隊艦船の6月訪中などの防衛交流、経済貿易、省エネ、環境保護、資源など幅広い分野の協力が盛り込まれた。中国製冷凍ギョーザ中毒事件については、「双方は、冷凍加工食品の中毒事案につき一刻も早い真相究明のため日中双方で捜査および協力を一層強化していく」と明記。首脳会談で大きな前進があったとされる東シナ海のガス田の共同開発問題は触れられていない。

 今夏の北京五輪をめぐっては「双方は北京五輪を成功させ、両国国民の相互理解と友情が増進されることを希望する」としている。胡主席が表明した上野動物園へのパンダの提供も「中国側は、共同で協力研究を行うことに同意」したことを確認した。

 ■首相経験者と会食

 中国の胡錦濤国家主席は8日朝、滞在先の東京都内のホテルで、中曽根、海部、森、安倍の各首相経験者と会食した。日中関係について胡主席は「戦略的な高みから、長期的視野を持って中日関係をさらに発展させていく」と力を込めた。

 これに対し、中曽根氏は新たな日中共同声明に盛り込まれた「歴史を直視し、未来に向かう」との表現を取り上げ、「問題はこれをいかに実行するかだ。日中間にはいろいろな問題が存在しているが、我々は友好的に解決しなければならない」と語った。

 一方、安倍氏はチベット問題について、「ダライ・ラマ側との対話を再開したことは評価するが、五輪と同時にチベットの人権状況も改善されるという結果が出ることが重要ではないか」と指摘した。

 朝食会は自民党の首相経験者で集まったが、小泉元首相は出席しなかった。

PR情報

このページのトップに戻る